市町村区の制度融資の思わぬデメリット

中小企業の多くは、銀行からお金を借りるときに苦労をしています。

そんな中小企業にとって信用保証協会は大きな味方です。

信用度合いに応じて少額の保証料を払えば、信用保証協会が保証人になってくれるのです。

信用保証協会の保証があれば、銀行もある程度は、安心してお金を貸してくれます。「ある程度は」という表現を使ったのは、責任共有制度が導入されているので、銀行も20%は責任を負わなければならないからですが、それでも、保証があるとないとでは大違いです。

この信用保証協会を利用した融資にも、さまざまな制度があります。

とくに中小企業にお勧めなのは、市町村区の制度融資です。市町村が融資をあっせんしてくれる制度で、金利や保証料を負担してくれる優遇措置があります。

信用保証協会が保証人になってくれる上に、市町村区が金利や保証料を負担してくれるのでよいことだらけです。

利用しない手はありません。

ただ、この制度にも欠点があります。

自治体から紹介状をもらうためには、経営指導員の指導が必要であったりするので、手間や時間がかかります。

中小企業の資金繰りは急を要することが多いので時間や手間がかかるのはかなり大きな欠点です。

さらにそれ以外にも思わぬ落とし穴があります。

それは、リスケです。

近年、おおくの中小企業が、資金繰りにつまり、銀行に返済条件の変更をお願いしています。

銀行に返済条件の変更をお願いするほど、資金繰りが悪化した会社が、経営を立て直すには、よくても数年はかかります。

一方、リスケの期間は、半年から1年です。

ですから、リスケをお願いした会社は、リスケを数回は更新・延長してもらいます。

ところが、市町村区の制度融資をつかって、保証協会の保証付融資をうけた場合にリスケをお願いすると、最初のリスケの期間終了後に、一括返済を求められてしまうのです。これは、当初の保証条件なので、変更は認められません。

資金繰りにつまった会社は、市町村区の制度融資を利用していると、リスケの延長が認められずに会社倒産の憂き目に会ってしまうかもしれないのです。

リスケを前提に資金調達を考えるのは、憂いすぎかもしれませんが、多くの会社がリスケに追い込まれている現状をみると、考慮しておくべきリスクでしょう。

リスケに追い込まれても立ち直っている会社は多々あります。リスケとなっても対応できる資金調達をしておくことは大切なことです。

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