無担保、無保証の創業融資の成功条件

▼長期で借りることの重要性 

無担保、無保証で借りることができれば会社が潰れても経営者は責任を取る必要はありません。

それと同じくらいに経営の観点からは長期で借りることは大切です。

800万円の融資を返済条件1年で借りたとしましょう。

元本だけで毎月約67万円を返済しなければやってゆけません。

とても重い負担です。

儲かっていても、これではやってゆけません!

黒字倒産してしまいます。

しかし、創業融資を利用することができ、返済期間を84ヶ月に設定できたとしましょう。

毎月の元本の返済額は9万5千円くらいで済みます。

なんとか返せそうですね。

無担保、無保証で低金利の長期資金を貸してもらえるというのは、これから開業される方にとって大変にありがたい話です。

ビジネスが軌道にのるまでは、資金繰りは大変です。

返済期間が長く、金利が低ければ、毎月の元金と利息の支払総額は少なくて済みます。

低金利で返済期間の長い融資を受けることは、開業したビジネスを成功させるためには、とても大切なことです。

 

▼創業時の公的融資の成功条件

創業者に無担保、無保証で、長期融資をしてくれるのは、公的融資制度しかありません。

日本政策金融公庫と、信用保証協会がバックアップする制度融資です。

創業融資は、事業の実績がなくとも創業計画書という事業の青写真だけでお金を貸してくれます。

しかし、創業融資を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。

  1. 自己資金があること
  2. 事業経験の力強い記述
  3. 借入の目的に関して誤解を受けないこと
  4. 信用情報
  5. 創業計画書の説得力
  6. 資金繰り計画書の添付


▼自己資金の有無

自己資金とは、自分が所有している返済不要のお金のことです。

自己資金があることは、創業融資の審査ではとても大切です。

審査担当者は自己資金の有無をとても重視しています。

自己資金がしっかりしている方の方が、事業を軌道に乗せて、借入金をきちっと返済してくれる確率が高いからです。

自己資金が不足していても、創業計画書の内容がとてもしっかりとしているために、十分な創業資金の融資に成功された経営者はたくさんおられますし、さまざまな工夫により、自己資金扱いとしてもらう資金を膨らませる方法もあります。

ただ、自己資金が多いほうが、審査は有利であることは確かです。

自己資金は、通帳を見てチェックされてしまうので、うそをついてもすぐにばれてしまいます。

入金状況を精査されるので、借りたお金であればすぐに見つかってしまうのです。

自己資金の定義や、不足しているときの対処法は次の記事をご参照ください。

⇒自己資金について

⇒自己資金が不足するときの対象方法

 

▼事業経験

事業経験とは、勤務時代の経験です。

創業する事業について、どれだけの経験があるかが問われるのです。

事業経験で、勤務時代に培った経験を強くアピールすることはとても大切です。

数字的な営業実績や、表彰等についてアピールできるものがあれば、前面に出して下さい。

勤務時代に培った能力、経験の強みが、これから創業する事業の差別化要因に直結することを、わかりやすく、ロジカルに記述できれば、審査担当者に与える心証は、格段に向上します。

 

▼借入の目的に関して誤解を受けないこと

創業時に公的融資で借り入れたお金を、次のように創業以外の目的のために使おうとする人があとを絶えません。

  • 別会社や既存事業の赤字の穴埋め
  • 個人の借金の返済

創業時の公的融資は過去の事業の実績を問わないので、既存の借金の返済に困っているひとたちにも、魅力的な融資制度なのです。

審査担当者が最初に警戒するのは、創業以外の目的にお金が使われてしまうことです。

そのために審査は厳重なものとなっています。

しかし、借金したお金の使用目的を見抜くのはとても難しいのです。審査する側としても、確実な確証をつかむことはなかなかできません。見積もり書などは簡単に偽造できます。提出された書類や面談から、経験と勘に頼って嗅ぎ分ける以外に方法はありません。怪しいなと思えば、融資を断ってきます。

結果として、本当に創業のために資金を使おうとしている申込者も、誤解を受けて、融資を断られてしまうことが実はすくなくありません。

まずは、別会社や既存事業の赤字の穴埋めや、個人の借金返済のためにお金を使うのではないということを明確に理解してもらう必要があります。

そのためには、職歴・事業の履歴、自己資金のため方、過去の事業実績、創業計画にそういった誤解につながる点がないかを十分に検討しておく必要があります。疑いにつながりそうな点を完全につぶし、かつ、資料間の整合性をとっておく必要があります。

 

▼信用情報

近年は、公的な金融機関も、信用情報をチェックするようになりました。

クレジットカードローン等はないことが望ましいのですが、かりにクレジットカードローン等がある場合には、その使用目的と返済計画を、創業計画書と整合性をとって説明することが、融資成功の鍵となります。

 

▼創業計画書の重要性

借りたお金が創業目的に使われると判断してもらえても、それだけではお金を貸してくれるわけではありません。きちっとした創業計画書(事業計画書)がなければ融資は受けられません。

日本政策金融公庫、制度融資ともに、創業計画書といわれる事業計画書をもとに審査されます。創業計画書の説得力、出来不出来はとても大切です。

創業計画書(事業計画書)というと、そんな難しいものは書けないとなげてしまうかたもいるかもしれません。ですが、実際は、ちょっとしたコツが必要なだけなのです。

私どもがとても残念に思うのは、せっかくいいプランをお持ちなのに、事業プランを紙に落としていないためいい評価を得られない方が意外に多いということです。

 

▼借りられる創業計画書の条件

高額融資に成功した創業計画書は、次の要件をクリアしています。

  • 理念をきちっとかたっている。経営理念をきちっと説明することにより、『几帳面で、借金を必ず返してくれそう』という印象を与えられます。
  • 顧客層のターゲティングがしっかりとしている。
  • ターゲティングのニーズを的確に理解して、明確でわかりやすい差別化戦略をとっている。
  • 差別化戦略と、事業経験(勤務経験)の強みを関連付けて説明できている。
  • 市場調査や、競合分析を怠っていない。
  • 具体的な顧客リストをもっている。飲食店やインターネット販売のような不特定多数を相手にするビジネスでも、膨大な潜在顧客リストをもっている創業者は、高い評価を与えられます。
  • 営業や販売促進の仕方が具体化している。『売り方がわかっているか?』ということです。営業や販売促進について経験があれば、その実績を詳述してください。自己申告でもかまいません。
  • 価格戦略がすぐれている。競合よりも良いものをより安く売るのが、創業企業成功の鉄則です。
  • 売上予測の根拠が、価格×数量で詳しく説明されており、かつ、個別の状況や戦略を反映している。
  • 売上と経費のバランスが根拠だてて計画されており、返済計画が実現可能であること。

 

売上と経費についてですが、創業計画書では、事業の見通し(収支計画1年目)を記述させます。そこで、売上や経費の予測額を書き込まされますが、大雑把な数字を直感的に書き込むのではなくて、手間をかけて、ひとつひとつの勘定科目の数字を、基礎となる根拠から積み上げていってください。また、勘定科目間の整合性をきちっととってください。 要は、審査担当者にお金がうまく回りそうだなと思わせるのがキーポイントです。

なかには、日本政策金融公庫の記入例をまねて創業計画書を作ったのに断られるケースもあります。正直に申し上げて、あれはあくまで記入例であって、審査のエッセンスが凝縮されているとはいいがたいしろものです。

創業計画書しだいで融資の成否は決まります。創業計画書の作成方法の詳細については、また別のページで詳述させていただきます。

⇒創業計画書の書き方

 

▼資金繰り計画の重要性

資金繰り計画書は必ず添付してください。

銀行は、創業融資に限らず、資金繰りの説明がきちっとできる経営者が大好きです。

金の流れを掴んでいない経営者に借りた金が返せるはずがないと考えているからです。

36ヶ月分の資金繰り計画を頭に叩き込んで、それを面談ですらすらと言えれば、審査担当者の心証は、とてもよくなります。

資金を何につかってどうやって返すのかを流暢に話せるようにしておくことが大切です。

 

▼コンサルタントの役割

創業時に公的融資を受けるための成功条件は、とてもあたり前のことばかりです。

ただ、経験のないかたにはこの当たり前のことを失敗せずに実行するのが難しいので、コンサルタントが必要となるのです。

山登りのガイドに似ています。頂点にたどり着くにはガイドがいたほうがはるかに安全だし確実です。

まれに融資を引き出すために、特別のノウハウや近道があると主張するコンサルタントがいますが、その言葉を信じてはいけません。

そんなものがあれば日本の大半の銀行はつぶれているでしょう。

創業時に公的融資を引き出すためにはひたすら正道を押し進んでゆくしか道はありません。

金融機関の鉄則は返せる会社に貸すのが原則です。それが金融庁の強力な指導である以上はそれ以外の選択肢は金融機関にはないのです。

上記の成功条件をクリアして、返せる会社であることを納得させる以外に公的創業融資を引き出す方法はありません。

間違った努力をして創業融資をうけるチャンスをふいにしてしまうことのないようにしましょう。


▼創業融資の基礎知識

  1. ⇒そもそも、お金は借りるべきなの?
  2. ⇒創業資金の集め方 さまざまな創業資金の集め方をご紹介します。
  3. ⇒日本政策金融公庫とは? 創業者にも貸してくれる公的金融機関
  4. ⇒信用保証協会と制度融資 信用保証協会の基本を理解しましょう
  5. ⇒『新創業融資制度』について 無担保、無保証の創業融資制度です。
  6. ⇒『中小企業経営力強化資金』について 無担保、無保証、要件上は自己資金不要、しかも融資額は最大2,000万円です。
  7. ⇒『新規開業資金』について 借りやすい創業融資制度です。
  8. ⇒東京都と市区町村の創業融資 ともに信用保証協会と自治体がバックアップする創業融資制度です。
  9. ⇒市区町村の創業融資の重大な欠陥
  10. ⇒創業融資の比較 選んではいけない創業融資制度とは?
  11. ⇒日本政策金融公庫と制度融資は、どちらが得か? 総合的には日本政策金融公庫です。
  12. ⇒創業融資の成功条件 創業融資に失敗しない秘訣を説明します。
  13. ⇒自己資金について 自己資金は融資審査ではとても重視されます。
  14. ⇒自己資金が不足しているとき
  15. ⇒創業計画書の業種経験の書き方 経歴アピールで成否が決まる。
  16. ⇒創業計画書の書き方 創業計画書の書き方で成否は決まります。
  17. ⇒創業計画書の記入例 日本政策金融公庫が提供する記入例です。
  18. ⇒資金繰り表の重要性 資金繰り表をすらすらと説明できれば、融資審査ではとても強くアピールできます。
  19. ⇒創業計画書と資金繰り計画書で創業融資は決まる
  20. ⇒創業融資の面談で守るべきこと 面談で犯しがちな失敗とは?
  21. ⇒創業融資の流れと必要書類 創業融資を借りる手順です。
  22. ⇒創業融資で新事業を立ち上げる 起業だけでなく新事業立ち上げにも使えます。
  23. ⇒創業融資の成功事例 自己資金不足、経験不足、事故暦、事業譲渡、高額融資の事例を集めました。
  24. ⇒創業計画書と事業計画書の違い 創業計画書は創業者用の事業計画書ですが、ちょっと特徴があります。
  25. ⇒創業後に赤字を回避するための具体的な経営手法
  26. 創業融資Q&A よくある質問にお答えします。

 

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創業融資に失敗しないためのチェックリスト

起業当初は、想定外の事態が起こり、資金不足になることもあります。

ですので、起業家は、融資はとりあえず受けておいた方が無難です。 

日本政策金融公庫などの創業融資を受けるために、クリアしなければならない条件を列挙いたしました。 

 

  • 開業する店舗や事務所と仮契約をしていますか。 開業する場所が特定できる状態でないと借入はできません。
  • 売上先は確保していますか。 企業相手なら潜在顧客リストがあると借りやすくなります。
  • 売上の見積もり根拠はしっかりとしていますか。 根拠とは、たとえば、飲食店なら予定地の通行料、商社、メーカーなら、サラリーマン時代の販売実績です。
  • 経費の見積もりはできていますか。 経費には、生活費(役員報酬)も含まれます。
  • 毎月、いくらなら返済できますか。 売上から経費を控除した利益が、基本的には、借金の返済に充てられる金額です。まずは、いくらなら返せるかを計算します。返せる額の範囲内で、融資額は決めるべきです。でないと倒産していまいます。返済額可能額からまずは『借りてよい額』を決めましょう。
  • 自己資金はありますか。 自己資金は、50万円以下だとちょっときびしくなります。自己資金がすくないと、開業のための準備姿勢がなってないとか、あるいは、資金管理能力がないと評価されることがあるからです
  • 設備投資額は明確になっていますか。 設備投資とは、機械設備、器具、車両、ソフトウェア、敷金、保証金などです。見積りを必ず取ってください。
  • 当初の運転資金は十分ですか。 最初の在庫投資や、売上が伸びるまでの資金、売上が入金するまでの資金は充分ですか。
  • 借入額を決めましょう。 設備投資額と運転資金から自己資金を引いたお金が『借りるべきお金』です。『借りるべきお金』が『借りてよいお金』を越えてしまっているなら、設備投資額と運転資金を見直して切り詰めてください
  • 果たしたいミッションは明確ですか。 動機付けがしっかりとしてないと創業融資では評価を下げられます。
  • どうやって競合に差をつけますか。 創業前も創業後もつねにこの問いを自分に問いかけ続けないと、長くは生き残れません融資においても当然にこの問いは投げかけられます。