税務調査の方法と対策

▼チーム編成と調査日数

通常は、1〜2人の調査官が2日をかけて調査します。それ以上の人的資源が投入された場合、すなわち、3人以上または3日以上の調査が行われたときには大きな問題を捕捉されていると考えたほうがよいでしょう。

 

▼調査の事前通知と、日程の調整

  • 通常は、税理士を通じて税務調査は予告されます。税務調査は、拒否することは困難ですし、またそんなことをすると何かを隠していると思われるので得策ではありません。ただ、場所や日程については、こちらの要望を聞いてくれます。都合が悪ければ極力、日程をうしろの方にずらしてもらいましょう。
  • 税理士が社長と税務署の間に入って、日程調整を行います。
  • 税務調査は、10時に始まり、遅くとも午後5時には終了します。昼休みは、12時から午後1時までです。税務調査官は茶菓子などには手をつけますが、食事等の供応には一切応じません。


▼現場調査の方法

  • 初日の午前中は、『雑談』です。ビジネスの特徴、業界の特性、金の流れについて雑談形式で話をします。調査官は、ここで大まかな金の流れをつかみ、税金逃れが行われているとしたらどの辺がポイントとなるのかを推量します。
  • 経営者や家族の生活ぶりについても『雑談』形式で、しばしば訊いて来ます。家族の話となると経営者も気が緩み、いろいろと話をされる方が多いのですが、ここからも、税務調査官は多くの調査ポイントを導き出します。役員と家族の生活ぶりが、決算書から判断される生活原資をはるかに超えているようであると、隠れたお金がどこかにあるのではないかと推測します。社長の個人的な履歴についてもよく質問をします。社長の履歴から取引相手の属性がつかめますし、不正をやりそうかどうかも推測できるからです。
  • 税務調査官は、とても厳しい競争にさらされています。追徴額がすくなければ、昇給も差をつけられますし、昇進も遅れます。統括官(チームリーダー。課長レベル)や特別調査官になれずに定年退職される方もかなりいます。税務調査官がいい加減な気持ちで雑談にふけることはありません。
  • この雑談や最初の概況説明は、経営者でなければ対応できませんので、経営者は、すくなくとも初日の1〜2時間ぐらいは時間を確保する必要があります。
  • 初日の午後からは、帳簿と確証を閲覧し、具体的な調査に入っていきます。あらかじめ実施した決算書分析や、午前中のインタビュー、前回調査の調書等を参考にして、重点調査方針を決め、そこを集中的に調査してゆきます。
  • 調査官には身分証明書を提示する義務がありますので、ニセ税務署員にひっかからないためにも、必ず、官職名と氏名は確認しましょう。


▼税務署との折衝

  • 通常は、2日目の夕方に問題点をおさらいして引き上げてゆきます。その後は、税理士が会社と税務署の間に入って、最終処理の方向についてやりとりをしてゆきます。
  • 調査のときに十分な結果を得られなかったときには、取引先に反面調査が行われることがあります。反面調査が行われると取引先に大きな迷惑がかかり、会社の信頼が傷つき、売上に悪影響がでることも少なくありません。ですから、反面調査にはならないように、十分な証拠と理論的な主張によって乗り切るようにするべきでしょう。
  • 税務署の主張には、理論的に抗弁ができる場合が少なくありません。後述しますが、調査官は激しい内部競争にさらされており、税金の追徴をしっかりしないと税務署のなかでつらい立場におかれてしまうことがあります。そのため、無理な税法解釈をしてくることがあります。また、税法にはじつは曖昧な分野がとても多いのです。この曖昧な分野では、解釈はいくつにもわかれます。こういった曖昧な領域で、担当官が税務署よりの解釈論に基づいて修正申告を求めてくることもあります。税理士のなかには、税務署の側にたって発言されるかたもいますが、それでは、納税者の基本的権利は守れません。理論的な反論がないと税務署の主張がそのまま反映され、税法の本来の趣旨そのものを越えて税金をとられてしまうこともあります。重要な税務上の論点について、入念に税務理論的な抗弁を事前に用意しておくべきです。
  • 理論的な反論はとても有効ですが、いたずらに非協力的態度や敵対的な態度をとると、調査官の反感を招き、調査範囲の拡大を招くことがあり、逆効果です。
  • 税務調査は、調査是認かあるいは納税者側が税務署と合意して自ら修正申告を提出することによって終了する場合がほとんどです。稀に税務署と税理士・納税者の見解が一致せずに、税務署長が更正という処分を一方的に下して終了する場合もあります。ただ、調査官は、更正処分を避けたがる傾向があります。更正処分だと後で納税者に不服申立てをされる恐れがある上に内部的な手続きも煩雑なのです。


▼例外的な税務調査の方法

  • 税務調査は無予告でくる場合もあります。これは、現金商売等の会社で現金実査を行って現金売上の実態を抑えるためです。
  • 頻度は3年に1度というのが原則です。前回調査から3年を経過しているのに税務調査が来ないという場合もあります。調査後2年しか経過していないのに調査を受けたという場合は、決算書によほどの異常点があったり、税務署がなんらかの情報を把握していたりする場合です。
  • 強制調査権に基づく査察調査が実施されることがあります。普通の納税者が経験する税務調査は、質問検査権に基づく任意調査です。これに対して悪質な脱税犯に対しては、強制調査権に基づく査察調査が実施されることがあります。裁判所から令状をとり、臨検、捜索、差押といった権限があるので、金庫のなかも勝手に調べたりします。査察調査を受けると、多くの場合、調査終了後に、刑事告発されます。


▼税務調査の結果に不満があるとき

税務調査の結果に不満がある場合には、納税者は、不服申立てをすることができます。ただ、不服申立てやその後の税務訴訟へ発展するケースはまれです。また、不服調査や訴訟という手段に訴えても、日本では、納税者側が勝利する率は、とても低く10%ぐらいしかありません。税務調査の現場で税金を追徴されれば、その後の不服審査で挽回できる可能性はとても低いということです。


▼税務署の組織

会社は、税務署の法人税課税部門により調査されます。法人税課税部門は、さらにいくつかの部門にわかれおり、各部門には管理者として統括国税調査官がおかれています。統括国税調査官の下には、上席国税調査官、国税調査官、事務官からなる数人のスタッフが配属されています。統括調査官の指示にしたがって各調査官は、税務調査を実施します。統括調査官自らが調査に赴くこともあります。

税務署に採用されると最初は事務官となります。順調に出世すると、大体20代後半で調査官に、30代半ばで上席調査官に、40代で統括調査官に昇進します。統括調査官の上は、副所長か特別国税調査官です。

税務署での競争は厳しく、能力が高い方でも評価に恵まれず、上席調査官のままで定年を向かえる人もいます。これはとてもつらいことです。税務署職員も人の子です。取り残されるのは、誰にとってもいやなことです。ですから、かれらは、現場では必死でかつ真剣なのです。 

特別国税調査官とは、統括国税調査官が率いるチームとは異なる別働隊です。大型の案件や複雑な事案に取り組むことを目的とした調査官で、統括調査官経験者も多く含まれます。ただ、実際上は、特別国税調査官はピンきりです。経験を生かして鋭い指摘をしてくる調査官が数多くいる一方で、定年が近くそれ以上の昇進も望めないのでモチベーションの低い人も中にはいます。

税務署の調査官もやはり人です。人により調査の質は異なります。調査に来た調査官が順調に昇進している人なのか否かにより、調査のレベルが異なる場合があります。温厚そうな調査官でも順調に出世している調査官であれば、鋭い指摘をしてくる可能性は高くなります。


▼税務調査への有効な対策

税務調査に対して十分な準備をしておくかどうかでとられる税金の額には、雲泥の差が出てしまうことがあります。 税法にはあいまいな部分がたくさんあります。解釈の仕方がわかれる論点が無数にあるのです。税務調査官の言いなりになって、理論的な反論をしなければ、そのまま修正申告を求められて税金を余計に取られてしまうことが少なくありません。 ですから、事前に税務調査官が突いてくるだろう論点をピックアップし、税務理論的に整合性のある反論を用意しておくことがとても大切です。多くの税理士事務所は税務署側に立ち、税務署との理論的対決を避ける傾向にあります。 しかし、それでは納税者は納税義務以上の税金を払うことになってしまいます。当税理士事務所では、事前に論点表を作成して積極的に理論的な抗弁を行っております。いままでこの論点表で準備した解釈理論が完全に打ち破られたことは一度もありません。 逃げ回っても最終的には補足されてしまいます。垂れ込みも意外と多く、税務署には予想以上の情報収集能力があります。正面から堂々と議論することが税務調査対策のポイントなのです。

 

▼節税対策と税務調査対策の基礎知識

  1. 税務調査に狙われる会社とその対策
  2. 税務調査の方法と対策
  3. 税制改正 最新の税制改正情報です。
  4. 売掛金、在庫、前払費用等に関わる節税対策
  5. 固定資産に関わる節税対策
  6. 生命保険を使った節税対策
  7. 負債に関わる節税対策
  8. 売上の計上の仕方で節税
  9. 役員報酬及び役員退職金に関わる節税対策
  10. 給料及び退職金に関わる節税対策
  11. 福利厚生費に関わる節税対策
  12. 交際費に関わる節税対策
  13. 積極投資による節税対策 設備、人、試験研究への投資による節税手法です。
  14. 重加算税を回避する方法 重加算税は大きな不利益をもたらすペナルティです。
  15. 消費税の節税対策
  16. 別会社を利用した対策
  17. 事業承継対策
  18. 銀行融資を調達する方法
  19. お金を貯める経営

 

▼無料相談会のご案内

⇒税の無料相談会

⇒資金繰り・資金調達の無料相談会

無料相談実施中! まずはお気軽にお話しましょう! フリーダイヤル 0120-886-816