日本政策金融公庫から追加融資を受けるためには何をすべきか?

日本政策金融公庫からの追加融資
この記事の著者
代表者

工藤聡生 
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政経出身、公認会計士・税理士。

創業融資を受けた後、業績が創業計画書を下回り、追加の資金が必要になった場合、追加融資を受けるのは厳しいことがあります。基本的には、業績が計画以上に伸びた結果として追加融資が必要であるという筋書きが望ましいです。追加融資を受けるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

1. 追加融資の申請条件を確認する

日本政策金融公庫の追加融資には、申請条件や必要書類があります。まずは、公式サイトや担当者に確認し、求められる条件を満たしているかを確認しましょう。多くの場合、新規開業資金の要件にまだ該当するはずですが、融資限度額、返済期間、金利などを確認することが重要です。融資制度については、日本政策金融公庫の担当者が適切な制度を紹介してくれるため、そこまで神経質になる必要はありません。

2. 担当者とのコミュニケーションを維持する

日本政策金融公庫の担当者との良好な関係を築くことも重要です。定期的に連絡を取り、現状を説明することで信頼を得ることができます。将来のことを考えて、創業融資を借りっぱなしにするような態度は避けましょう。

3. 滞納しないこと

銀行借入金の滞納は、初回の創業融資時と同様に厳しく見られます。特に、日本政策金融公庫からの借入返済が滞納した場合、追加融資は困難になります。

4. 試算表で現状を適切に説明する

追加融資を申請する際には、試算表を使って経営状況や実績を示すことが求められます。この際、たとえ当初の創業計画書と比較して実績が下回っていても、業績拡大のために追加資金が必要であるという説明を行ってください。赤字の埋め合わせのために追加融資が必要であると説明することは避けるべきです。この説明を具体化するのが、次の事業計画書の作成のステップになります。

5. 創業計画の見直し

追加融資を受けるためには、創業計画書の見直しが必要です。既存の創業計画書に修正や加筆を加え、追加融資後の資金使途や予想される効果について詳しく説明できる事業計画書を準備しましょう。資金使途は運転資金や設備資金といった前向きな投資でなければなりません。赤字の穴埋めでは融資を受けることは難しいです。事業計画書の作成は必須ではありませんが、作成すると審査が通りやすくなります。

6. 適切な融資額の設定

事業計画書を作成する際には、必要な融資額を明確にし、その使途を具体的に説明できるようにしましょう。過剰な融資額を求めると審査が厳しくなる可能性があるため、実際の必要資金に基づいた額を設定することが望ましいです。

7. 必要書類を整える

追加融資申請に必要な書類を整えることも忘れてはいけません。通常、以下の書類が必要です:

  • 最新の決算書: 貸借対照表、損益計算書、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書、資金繰り実績、確定申告書〈個人の場合〉
  • 創業計画書を修正して作成した事業計画書: 三カ年の損益の計画と資金繰りの計画。資金繰り計画の中で、資金使途を明確にします。
  • 追加融資の使途に関わる資料: 設備投資の見積書など
  • 経営改善の状況を示す資料: 売上明細など
  • 納税が確認できる書類: 納税証明書、課税証明書など

8. 他行からの借入が増えている場合

他行からの借入が増えている場合、それが積極的な投資のための支出であれば問題ありませんが、業績が計画を下回ったためであれば審査が厳しくなります。積極的な投資のために他行からの借入が必要であったという説明ができるようにしておく必要があります。

9. 審査を通過するためのポイントと面談時の姿勢

審査では、事業の将来的な安定性が重視されます。自社の強みや今後のビジョンを明確に伝えることが審査通過のカギです。また、追加融資の際の面談も、初回の創業融資の面談と同様に、事業計画書に沿って誠意をもって対応してください。

まとめ

日本政策金融公庫から創業融資のあとに追加融資を受けるためには、担当者とのコミュニケーション、返済実績、現状説明、創業計画書の見直しと事業計画の作成、適切な融資額の設定、必要書類の整備、他行からの借入の説明、面談時の常識的な態度が重要です。これらのステップを確実に踏むことで、追加融資の審査をスムーズに進めることができるでしょう。

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