事業経験がないのに自己資金の10倍の創業融資に成功した事例

日本政策金融公庫の創業融資は、基本的には、自己資金の2倍までしか借りられません。
必要資金の3分の1は、自己資金でなければならないのです。
形式的な要件では、この点があいまいですが、実際の審査では、十分な自己資金がないとあっさりと謝絶されます。
いわゆる実質的な審査基準と言われるものです。

自己資金が、創業資金総額の3分の1未満となると平均的に貸し倒れ率が上昇するからです。
公的な金融機関とはいえ、補助金ではないので、回収可能性が低い貸付はできないのです。

先日、芳香剤の輸入ビジネスを開業したいという起業家から相談を受けました。
自己資金が50万しかないのですが、在庫資金や設備資金で500万円を借りる必要があるという相談でした。
自己資金が決定的に不足しています。
しかも、事業経験は全くありませんでした。
明らかに謝絶されるケースです。

とても熱心な方だったので、わたくしども頑張りたいという気持ちになり、日本政策金融公庫の担当者に名前を伏せていちようは照会したのですが、やはり、『だめでしょう』という回答でした。
正式な申込をしてしまうと謝絶の履歴が残ってしまうので、担当者への『一般的な質問』という形で問い合わせをしました。
お客様の履歴を傷をつけずに結果を聞き出せるので、当事務所は、ちょこちょこと懇意の担当者にお客さまの名前を伏せて照会をかけています。

ここで、当事務所がアドバイスした方法は、まずは、創業をしていただくという戦術でした。
事業経験がないのでは相手にされないので、とりあえず経験を積んでいただくことにしたのです。

まずは、芳香剤の展示会等に顔を出して、とにかく名刺を集めてもらいました。
それを潜在顧客リストとしてまとめました。
創業融資の審査では、潜在顧客のリストを持っていることは高く評価されるからです。

次にリストの潜在顧客にかたっぱしから営業をかけ、売上実績を作っていただきました。
営業は、とにかく行動を起こせば、かならず売上は発生するものです。
本人のがんばりもあり、数カ月で50万円ほどお金を貯めることができました。
その結果、自己資金は総額で100万円になりました。

この時点で、正式に創業融資に申し込みました。
潜在顧客のリスト、売上実績、自己資金の増加という三つの新たなプラス要素が加わったからです。
私どもの指示通りに頑張っていただいたので、私どもからも強く、日本政策金融公庫に推薦させていただきました。

まだまだ、自己資金は不足しているのですが、結果として、当初は、無理とされた500万円の満額融資に成功しました。
大幅な自己資金不足を、潜在顧客リスト、売上実績、自己資金の増加という3つの対策で乗り切ったのです。

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