中小企業でも1%未満の金利で借りられる

▼銀行の金利決定メカニズム

銀行の金利はどうやって決まるのでしょうか?

ほとんどの経営者のかたは詳しくはご存知ありません。

しかし、支払利息を減らすには、銀行の金利決定のメカニズムを大雑把でもよいので、理解しておく必要があります。

 

銀行の金利は、次の4つの要素の合計です。

金利=銀行の調達金利+銀行の経費+貸倒れ+利益

 

資金調達コストと銀行の経費を支払い、貸倒れを負担しても、利益が出る水準に金利は設定されています。

 

銀行が貸すお金の大半は、自己資金ではありません。

預金者からのお金や、資金市場で借りてきたお金を又貸しています。

借りてきたお金ですから、銀行も利息を支払わなければなりません。

銀行の金利は、まず、この調達金利をカバーしなければなりません。

調達金利は銀行によって異なります。

例えば、メガバンクは、資金市場から安い調達金利で、資金を調達できるので、信用金庫に比べると安く金利を設定することができます。

 

さらに、銀行員の人件費、地代、システムコストなどの経費も、銀行は受け取った利息から支払わなければなりません。

金利は、銀行の経費もカバーしなければならないのです。

経費率も銀行によって異なります。

例えば、メガバンクは、貸し出し規模が大きいので、一件の貸し付けごとの経費率が低く、それに対して信用金庫は、中小企業が貸し出し先なので、一件ごとの貸し出し金額が小さく、事務効率が悪くなり、経費率がどうしても高くなってしまいます。これは、信用金庫の金利のほうがメガバンクの金利よりも、高めになるもう1つの理由です。

 

お金を貸す以上は、貸倒れは必ず発生します。

貸倒れによる損失も、受け取った金利の中から負担することになります。

ただ、貸倒れリスクは、借入先の信用度合いによって異なります。

格付けが低いと貸倒れのリスクが高いと判断されますので、その分だけ、高い金利を要求されます。

メガバンクが、中小企業に対して、信用金庫と変わらないぐらいに高い金利を求めることがあるのは、この貸し倒れリスクを考慮しているためです。高い金利を要求されたら格付けが良くないのだと理解してください。

金利を下げたければ、まずは、銀行の格付けを改善しなければなりません。

 

最後は、利益です。

銀行は、営利企業ですから、利益を求めます。

銀行は、自己資本比率が一定の値を割り込むと、最悪の場合には、金融庁に業務停止を命令されてしまうので収益にとても執着します。

金利から、調達金利、経費、貸倒れを控除しても残りがプラスになり、利益が出るように金利は、設定されます。

 

以上が、短期金利の決まり方です。

長期借入の金利は、短期金利をベースとして、さらに将来の物価変動などによる金利の変動予想を考慮して決定されます。

例えば、将来、物価が上がると予想されれば短期金利も上昇すると予想されるので、長期金利は高めに設定されます。物価が下がると予想されれば、逆に長期金利は、低く設定されます。

通常は、金利が変動すること事態がリスクですので、長期金利は、短期金利よりも高めに設定されます。

 

▼中小企業が1%未満の金利でお金を借りるための対策

金利決定の要素で、会社側が改善できるのは、格付けだけです。

あとは会社からすると外部要因です。

格付けを改善する対策としては、次の方法があります。

 

  1. 帳簿の改ざんが難しい会計ソフトを使用する。
  2. 書面添付の実践
  3. 中小企業の会計に関する指針に準拠
  4. 記帳適時性証明書を会計事務所から発行してもらう
  5. 継続MASによる経営計画書の作成と予算管理の実施
  6. 企業防衛対策の実施

 

銀行は非常に会計を重視しています。

銀行は、金融庁の『支配下』にあるのですから当然です。

金融庁は、会計の番人なのです。

ちなみに私ども会計士も金融庁の監督下にあります。

 

たくさんの都市銀行や地方銀行、信用金庫が、この条件で融資商品を提供しています。

メインバンクが提供していなくとも、取引先の一行でもこの融資商品を使って、金利を下げてくれれば、他行も対抗せざるを得ないので、ほぼすべての銀行にこの格付け対策は有効と考えてください。

 

上記の条件は、会社が本気になれば簡単に実行できることです。

こられの条件がととのえば、中小企業でも、0.4~6%の金利で借入をすることはできます。

従業員数人の会社でも本当にこの金利で借りておられます。

 

ただ、赤字になったら、ちょっと粉飾してごまかそうというような姿勢だと、これらの条件はクリアできません。

どんなときも正しい数字を開示するという覚悟は必要です。

 

そもそも、多くの中小企業が勘違いしていることがあります。

今の日本は、銀行からすると借り手がいないのです。

財務内容を適切に開示して、戦略をきちっと説明していたら、1期や2期の赤字でいまどき銀行が資金を引き揚げることはありません。

きちっと説明すれば、銀行は協力してくれます。

銀行が協力しないのは、多くの場合、社長が会計に関心がなくて、数字の説明ができないからです。

会計から逃げていたら、永遠に夢の金利は実現できません。

 

正攻法でせめて金利を劇的に低減されることをお勧めします。

 

夢の金利の実現にご関心があるかたは、ぜひ、一度、当事務所の無料相談会をご活用ください。

 

支払利息を少なくする方法

経営者の中には、支払利息の金利に無頓着なかたがいらっしゃいます。

今は金利が低いのでそんなに目くじらを立てる必要はないとかとか、交渉しても金利なんか下がらないと考えておられるかたもいます。

ちょっと待ってください。

仮に5千万円を5年返済で借りたとしましょう。

金利を2%とします。

元本を少しずつ返済していきますので、5年間の借入金の平均残高を半分の2500万円としましょう。

そうすると5年間で支払利息の合計は、250万円となります。

仮に交渉で金利を1.2%へ下げることができたとしましょう。

その場合の支払利息の合計は、5年間で、150万円となります。

その差額は、100万円です。

決して小さくはありません。

 

それでは、支払利息を下げるにはどうしたらよいのでしょうか?

 

金利を下げるのは、銀行同士を競わせるのが一番です。

まず、取引をしている銀行のひとつか、あるいは、あらたに営業をかけてきた銀行に、低い金利で提案をさせます。その提案をほかの取引している銀行へぶつけて競わせるのです。

銀行マンは、新規融資先の獲得や融資量の増加についてノルマが課せられています。ノルマをクリアしたいという動機付けから、無理をしてくれることがあるのです。

 

そんなことをして銀行に嫌われないかと心配されるかもしれませんが、そんな心配は無用です。

銀行の御社に対する評価は、決算書に基づく格付けで、機械的に決まっています。

銀行が付き合いたい会社は、決算書が強くて必ず借金を返済してくれる会社です。

自己資本がしっかりしていて、経常利益が黒字で、借入を返済できるだけのキャッシュフローがあれば、銀行は御社のことを「好き」になってくれます。

金利に関して、銀行間を競わせるかどうかは、御社への評価には関係はありません。

 

また、銀行員は、金利以外に他社と競争できる要素はないのはわかっています。

銀行はお金という商品を売っています。

しかし、お金は、実は、差別化がまったく不可能な商品です。

ガソリンと同じです。

値段、この場合は、金利ぐらいしか、競合他社に差をつける方法はありません。

銀行員はこのことをよくわかっているので、他行と金利競争をさせられても気分を害することはありません。

制度融資を使って金利を安くする

金利を安くするには、複数の銀行を競わせるべきだという記事を以前に書きました。

それ以外に、金利を安くする方法があります。

制度融資です。

制度融資は、信用保証協会と地方自治体がバックアップする公的な融資制度です。

 

信用保証協会は、中小企業が銀行からお金を借りる際に、債務を保証することによって資金調達を円滑化してくれています。

制度融資とは、この信用保証協会の保証に、さらに地方自治体の支援が加わる融資制度です。

都や県、市町村区が、あっせん、利子補給、信用保証料の補助を通じて、信用保証協会の保証をさらに利用しやすくしてくれているのです。

 

制度融資の場合には、金利が決めてられていることが多く、その水準は、信用保証協会の一般的な保証の場合よりも低くなっています。

さらに利子補給や保証料補助をしてくれる融資制度もあります

 

制度融資は、知らないと損をします。

銀行マンが、金利の一番安い制度融資を教えてくれるとは限らないからです。

金利の高い一般的な保証を薦めてくることもあります。

自助努力が不可欠です。

会社のある都、県、市区町村のホームページを必ずチェックするようにしてください。

 

ただ、制度融資も良いことばかりではありません。

経営相談員の相談や面談を条件とすることがあり、ちょっと手続きが煩雑な場合があります。

計画的に融資をうける余裕があるのであれば、問題はありませんが、時間的な余裕がない方には、ちょっとストレスがかかることもあります。

 

とくに創業融資の場合には、相談が数回に及ぶこともあり、相談が終わるまで1ヶ月近くかかることがあります。

創業者の多くは創業資金がないと創業できません。

経営相談員への融資相談に1ヶ月もかかったら、創業が1ヶ月遅れます。

その間は、売上がたたないのに経費は発生します。

役員報酬(経営者の生活費)、地代、人件費といった経費がかかってしまい、へたをすれば創業前に資金がそこをついてしまいます。

創業者は、経営相談員の相談を不要とする制度融資を活用するようにしてください。

たとえば、東京都の創業融資制度は、経営相談員への融資相談は、要件とはされておらず、スピーディに創業資金を調達することができます。