銀行から十分な融資を受けるためには、格付けをアップする以外に方法ありません。

金利を引き下げるにも、やはり格付けをアップする以外に方法はありません。

この記事では銀行格付けの改善方法についてご説明させていただいております。

銀行格付けを改善することの重要性

銀行はいかに会社を評価するか~銀行格付けとは~」で記載した通り、会社の格付けが一区分異なるだけで、銀行からの扱いには、天と地ほどの差がひらくことがあります。

売上減少と低価格化があらゆる業界で進行し、ほとんどの会社が利益を減らしていますが、『正常先』という格付け評価をうけないと新規の借入は難しくなりますし、借りられたとしても金利が高くなってしまいます。

銀行格付けアップ対策① 決算対策

決算書の内容で、銀行の格付けは、80%以上決まってしまいます。
多くの創業経営者が得意とする営業トークは、銀行には通じません。
決算書の数値で、会社の評価は機械的に決まってしまいます。
格付けが決まってしまうと次の決算書ができる一年後まで、格付けを変えることはできません。
決算書の内容が悪ければ、一年間、事業資金を調達することはできません。

決算書は、黒字であればよいというものではありません。
銀行格付けを改善するためには、総合的な決算対策が必要です。

  1. 全体バランス:決算書は、利益が計上されていればよいというものではありません。全体のバランスを考えて決算を組まなければなりません。売掛金や在庫残高、負債の大きさ、自己資本残高の大きさも、格付けに大きく影響してきます。
  2. 勘定科目の使い方:たとえば、一例を挙げれば、多くの会計事務所が、処理できない経費を、貸付金や仮払金として処理してしまいますが、銀行は、この貸付金や仮払金をとても嫌います。税務的には正しい処理ですが、格付け対策としてはやってはいけない処理です。
  3. 初歩的な会計原則の遵守:銀行マンは、会計の初歩も勉強しているので、一見して公正な会計慣行を無視しているとわかる決算書も嫌われます。たとえば、減価償却を計上しないで利益を調整したりするとすぐにばれてしまい、格付けを下げられてしまいます。
  4. 会計基準の見直し:会計処理の方法を変えることによって格付けを改善できることがあります。売上の計上基準を適正化したり、原価計算の実施により在庫評価を見直したりすることにより、決算書の内容を変えることができる場合があります。

詳しい処理は、次のページをご覧ください。

⇒銀行から評価を上げて資金調達を有利にする方法

銀行格付けアップ対策② 事業計画書を決算書に添付

決算書に事業計画書を添付して、銀行に提出しましょう。それによって銀行は、会社の経営実態と戦略を知ることができます。

計画的な経営ができる会社であるという評価は、格付けを改善します。

銀行格付けアップ対策③ 会社の長所をリストアップして決算書に添付

決算書にあらわれない会社の長所は、第二次・第三次評価でひろわれることになっています。

しかし、実際には、口頭でいくら銀行の担当者に説明したところで、格付けにはなかなか反映されません。 

第一次評価は、決算書上の数値を入力するだけです。

しかし、第二次評価・第三次評価で会社の評価をよくするためには、手間をかけて説明資料を作成しなければなりません。

融資担当者は、100社以上の会社を担当しています。

しかも、自分で説明資料をつくるわけですから、その内容が間違っていれば自分の責任です。

会社の実態をよほど知らないと資料がつくれません。

第二次評価、第三次評価で格付けが改善することは稀なのです。

社長が一生懸命説明すれば、融資担当者はその場では『はいはい』とうなずいていますが、社長の懸命のアピールが第2次評価、第3次評価で考慮されることは少ないのです。

そこで、A4用紙一枚に会社の定性的な強みや、潜在的な返済能力を書きだして決算書に添付しましょう。

銀行員にとりましては、会社情報を得られるのみならず、この資料を格付け査定資料としてもそのまま活用できるため、大変に喜ばれます。

第二次評価、第三次評価に格段に反映されやすくなります。

決算書で与えられた格付けを、第二次評価や、第三次評価で変えるのは、難しいことですが、会社の努力次第で不可能というわけではありません。

なぜなら、金融庁も、中小企業には特別の計らいをするように求めているからです。

例えば、次のような項目があれば、文章にまとめて必ず銀行マンに渡してください。

 

【実態バランスシートによる評価】 土地・有価証券などの資産に含み益はあるなら、その金額。

【経営者と会社を実質同一体とみなす】 経営者からの借入金があるなら、その借入については、会社から返済を求めるつもりはなく、資本と同一とみなせる旨。経営者に資力があるなら、その具体的内容。

【販売力】 独自の営業ルート。参入の難しい商圏。営業部門の販売ノウハウ。

【経営者の資質】 事業経験・経歴、経営方針、過去の実績。

【技術力】 商品開発力。特許権などの知的財産権。 法律に基づき技術力などを勘案して承認された計画。

【市場の将来性・成長性】 市場が拡大基調にあるならそれを裏付ける資料を提出しましょう。

【マスコミ掲載記事】 銀行は、マスコミに弱いので掲載記事があれば添付しましょう。

銀行格付けアップ対策④ 四半期ごとの銀行への報告

四半期ごとに銀行へ財務状況を報告しましょう。

銀行への報告は、損益計算書や貸借対照表の提出だけでなく、必ず、資金繰り実績も報告してください。

銀行は、会社の資金繰り、とくに、営業キャッシュフローに注目しています。

税理士事務所に頼むと損益計算書と貸借対照表しか用意してくれないことが多いので営業キャッシュフローのわかる資金繰り実績を出してくれるように念押ししてください。

営業キャッシュフローが長期的にプラスであることを理解してもらえれば、銀行が資金支援を打ち切ることは絶対にありません。

銀行格付けアップ対策⑤ 運転資金を削減し、借入金の返済に充てる

得意先や仕入先との回収・支払条件を有利にすれば、会社の資金繰りを改善するだけでなく、銀行の格付けを改善することができます。

得意先には売上代金の回収サイトの短縮を、仕入先には購入代金の支払いサイトの延長を申し入れます。

このことにより、資金繰りが楽になりますので、その余剰資金で借入金を返済します。

決算書上、負債の部が減少し、会社の体力が増したことになります。

銀行格付けの判断要素である、流動比率、自己資本比率、総資本経常利益率、債務償還年数が改善します。

銀行格付けアップ対策⑥ 役員からの借入金を資本金に振り替える

役員からの借入金を決算書に計上している会社をよく見かけますが、これはとても、もったいないことです。

『デッドエクウティスワップ』により、借入金を資本金に振り替えることにより銀行の格付けを改善できます。

難しい手続きではありません。

数万の手数料を払えば、2、3週間で実行できます。

借入金が減少し、資本金が増加するので、格付けの判断要素である自己資本比率が改善し、債務償還年数も短くなります。

会社の負債が減少し、資本が増加した訳ですから、会社の体力が増したと解釈され、格付けは著しく改善します。

銀行格付けアップ対策⑦ 定期預金を解約して借入金を減らす

金融機関からの多額の借入れをしている一方、相当額の定期預金をさしだしている会社を今でも結構見かけます。

これも、とても勿体ないことです。

定期預金を預けている銀行以外のほかの銀行からの評価がその分だけ下がっているからです。

預金を解約し、借入金の一括(一部)返済に充てると、今後の支払い利息が不要になるだけでなく、会社の負債が減少しますので、会社の格付けを改善することができます。

自己資本比率、債務返済能力が、ともに改善するからです。

 従来の金融機関は融資先の預金解約にとても消極的でしたが、現在ではよく行われています。

なぜなら、金融機関にとりましても、融資先の格付けを上げることにはメリットがあるからです。

銀行融資を調達する方法

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飛び込みで銀行に行ってお金を貸してくれと頼んでも断られます。

銀行は、飛び込みでくる客を白い目で見るからです。

銀行からお金を引っ張るには、銀行から営業をかけてもらうのが一番です。

銀行も営業はしています。

お金を貸さないと利息を稼ぐことができないからです。

銀行に営業をかけさせるには、銀行の営業対象リストに自社の名前を載せなければなりません。

 

銀行の営業先リストに名前を載せる方法はあるでしょうか?

あります。

 

銀行の営業リスト=帝国データバンクから高評点をもらっている会社

なのです。

帝国データバンクに調査をしてもらい、C評価(51点以上)をもらえれば、やがて銀行から営業をかけてきてくれます。

 

高評点なら、こちらから飛び込みで銀行窓口に行っても、お金を貸してくれます。

帝国データバンクの評点を見たとたんに、融資担当者の態度はころりと変わります。

銀行の90%は、帝国データバンクの評価を、融資審査の際に使っているのです。

 

帝国データバンクはいかに会社を評価しているのでしょうか?

配点は次のとおりです。

  • 業暦 5点
  • 資本構成 12点
  • 規模 19点
  • 損益 10点
  • 資金現況 20点
  • 経営者 15点
  • 企業活力 19点

 

調査スタッフは、客観的な評価を心がけていますが、定性的な要素にはどうしても主観が入ります。

ですから、説明のしかたで10点ぐらいはちがってきます。

とくに経営者、企業活力、資金現況などの信用要素は、説明のしかたで評点はかなり変わってきますので、わかりやすく積極的な説明を心がけてください。

評点の平均値が40点台後半ですので、説明のしかたひとつで、融資審査に有利なC評価(51点以上)にもっていくことは充分に可能です。

 

決算書を帝国データバンクの調査スタッフに見せてくれといわれたら、大赤字でない限りは、必ず、出して下さい。決算書を出さないと5点は減点されてしまうからです。

 

会社の説明をうまくする自信がなければ、銀行融資に強い専門家に同席してもらうのも1つの方法です。ただ、帝国データバンクは、外部の第三者の立会いを嫌がりますので、会社の名刺をもたせるようにしてください。

 

銀行の帝国データバンクへの依存度は、一般のかたが考えるよりもはるかに高いので、大きな資金調達が必要な会社は、まず、帝国データバンクに調査してもらうべきでしょう。

ただ、帝国データバンクは、こちらから頼んでも調査はしてくれません。

帝国データバンクは、第三者の調査依頼がなければ、調査は実施しないのです。

ですから、取引先や会計事務所などの第三者に、帝国データバンクへ調査依頼してもらうのが確実な方法です。

事業性評価とは

金融機関は、いま、担保、保証に頼らず、会社の実態に基づいて借り手を評価するように金融庁に指導されています。

事業の実態を把握して、それに基づいて貸し付けることが求められているのです。

 

実効性が上げるために、金融庁から、さまざまな指標の公表が義務付けられています。

この公表する指標のことをベンチマーキングといいます。

すでに、顧客の経営指標の改善、貸し付け条件変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況、事業性評価に基づく融資を行っている与信先数、融資額などがベンチマークされ、公表されます。

事業の実態に基づく貸付をどれだけやっているかを公表させているのです。

本来は、顧客が金融機関を判断するための指標ですが、実際は、金融庁の方がこわいので銀行は、金融庁を怒らせないために、ベンチマーキングの数字を改善するために努力せざるを得ない状況に置かれています。

結果として、銀行の姿勢は、少しずつではありますが、確実に変化しています。

 

事業性評価の影響は

結果として、銀行の会社への評価の仕方が変わりつつあります。

会社の事業の実態を把握してそれに基づいて評価する傾向がだんだんと強まっています。

 

銀行はなにをヒアリングするか

それでは、銀行は、会社の実態を把握するために、具体的には、どんなポイントをヒアリングするのでしょうか。

主なポイントは、日本政策金融公庫の『経営ビジョンシート』を見ると理解できます。

 

  • 何を作っているのか?
  • どこから仕入れ、どこへ売っているのか?
  • どの程度(量) 作っているのか?
  • いくらで売っているのか?
  • どのくらい儲かっているのか?
  • 何人で作り、何人で売っているのか?
  • 過去にどういう経営判断を行ってきたのか?
  • 今後、会社をどの様に経営して行こうとしているのか?
  • 外部環境はどうか?
  • 競合先は?
  • 課題は何か?
  • 自社の強みと弱みは何か?
  • 今後の見通しは?

財務を中心とした、会社の実態把握からはじまり、会社の戦略まで理解しようとしていることが伺えます。

銀行の事業性評価に対応するためには、会社側も、常日頃から、財務管理をしっかりとやり、自社の能力と適切な戦略を的確に回答できるようにしておかないとヒアリングに対応できません

資金調達の観点からは、自社の経営状況と経営戦略を的確に説明する能力が問われるようになってきたと言えましょう。

 

信用保証協会付き融資には頼れない

信用保証会は、多額の貸し倒れが発生して財政がひっ迫しています。

信用保証制度は、改正され、審査は、今後厳しくなると言われています。

中小企業は、信用保証協会に頼りっぱなしの会社が少なくありませんが、今後は、事業性の評価を上げて銀行のプロパー融資を引き出す努力が、必要です。

 

わたくしどもの月次監査では、経営者とともに、会社の財務上の問題点と、打つべき戦略を一緒に考えるようにしているので、銀行による事業性評価に対する対応力を自然と身に着けることができます。

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