銀行はいかに会社を評価するか〜銀行格付けとは〜

金融庁は、格付けに基づく融資から、事業性評価に基づく融資へ、指導方針を変えました。

決算書の内容だけでなく、事業内容や成長可能性等を評価してお金を貸しなさいと、銀行に指導するようになったということです。

しかし、事業性評価に基づく融資は、実はとても難しく、銀行の実務は、実態的には、あまりかわっていません。

 

以下で記述している、金融検査マニュアルに基いて、企業を格付けし、その評価に基づいて融資の可否を決定する方式から、本質的なところは、変わっていないのです。

 

ですので、銀行融資を引き出すためには、以下に記述している金融検査マニュアルの基づく格付けを理解しておくことは、無駄にはなりません。

むしろ、銀行の融資実務を理解する近道といえるでしょう。


なぜ、銀行は、決算書中心に格付けをするのか?

 

銀行からお金を借りることができなければほとんどの会社はやってゆけません。

一方で、銀行は、企業を評価(格付け)して、その格付けによって、お金を貸すか貸さないか、金利をどのレベルに設定するかを決めています。

格付けによって、企業に対する融資姿勢はきまります。

格付けが悪くなると、金利を上げられたり、お金を貸してもらえなくなります。

ですから、会社は、銀行からよい格付けをもらわなければ、資金調達はできません。

それでは、この銀行格付けはどのように決められているのでしょうか?

銀行格付けは、決算書でほぼ70〜90%決まります。

決算書に基づく格付けは、強大な監督権限を持った金融庁の考え方なので、銀行は、例外なく決算書を中心に格付けを行っています。

 

銀行は、どうやって格付けするの?


銀行がどうやって格付けをしているのかを知らなければ、対処のしようがありません。

銀行格付けのプロセスについて理解しましょう。

銀行は、まず融資先を10〜12段階に分けて信用格付けします。

この信用格付けに基づき、債務者区分が決定されます。

債務者区分は、6つに分かれています。

正常先、要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先です。

格付けと債務者区分は直結しています。

たとえば、格付けが1〜6なら正常先、7-1なら要注意先、7-2なら要管理先、8なら破綻懸念先、9なら実質破綻先、10なら破綻先というふうに対応関係にあります。

下の区分にいくほど、貸倒のリスクが高まるので貸倒引当率が高くなります。

貸倒引当率は、正常先で0.1〜0.3%、注意先では1〜数%ぐらい、要管理先になると約15パーセントに跳ね上がります。

要管理先に格付けされるとお金をかすと金利をはるかに上回る貸倒引当金を計上しなければならないので、銀行はお金を貸したとたんに損をしてしまいます

ですから、要管理先に区分されてしまうと、新規融資はしてもらえなくなります。

すくなくとも要注意先以上の区分に入らないと、融資は受けられません。

信用格付けは、3つのステップを経て決定されます。

第一次評価(定量評価) 決算書の数値に基づく格付け評価です。

第二次評価(定性評価) 決算書上に数値化できない要素を拾い上げます。

第三次評価(実態評価) 決算書の裏に隠れた返済能力を反映させます。

以下、それぞれのステップについて説明します。

 

第一次評価 定量評価


第一次評価は、決算書の数値を使って行われます。

決算書の数値は、そのまま格付けソフトに入力されます。

格付けソフトは、財務スコアリングモデルといわれる評価基準に基づいて債務者を自動評価します。

この自動評価により、企業の格付けは、70〜90%決定されます。

下記の第二次評価、第三次評価がどんなによくても、10の格付け段階のうち、1〜2ぐらいしか評価を上げてもらえません。

それくらい決算書による評価は大きなウェイトを占めています。

評価基準の基礎となる財務スコアリングモデルは、銀行によって多少はことなりますが、大筋は同じです。

財務スコアリングモデルの細かいロジックは、通常は、現場の銀行マンには知らされていません。貸出先に伝わり、裏をかかれるのを防止するためです。

財務スコアリングモデルにおいては、安全性・収益性・成長性・債務返済能力の4つの指標をもとに、総合的に会社を評価します。

主に使われている指標について、下記で説明をしております。

決算対策を組むときには、これらの指標がよくなるようにしなければなりません。

それぞれの指標への配点は、大差はありません。

よく、黒字にすれば銀行は貸してくれるという方がいいますが、それは誤りです。

『黒字』とは収益性の指標ですが、格付けでは、収益性だけでなく、安全性、成長性、債務返済能力も評価されます

すべての指標でバランスよく、得点を稼がなければなりません。

なお、当事務所は、某銀行の財務スコアリングモデルを再現したソフトをもっていますので、正確に点数を算定することができます。

どうしても自社のスコアを知りたい方は、ご気軽に当事務所の無料相談をご活用ください。

 

安全性

  • 流動比率 流動資産÷流動負債
  • 自己資本比率 株主資本÷総資本
  • ギアリング比率 有利子負債÷自己資本

収益性

  • 売上高経常利益率 経常利益÷売上高
  • 総資本経常利益率 経常利益÷総資本
  • 当期利益額

成長性

  • 経常利益増加率 当期経常利益÷前期経常利益
  • 売上高

債務返済能力

  • 債務償還年数 (有利子負債−運転資金)÷キャッシュフロー
  • キャッシュフロー額 営業利益+減価償却費
  • インタレストカバレッジレシオ (営業利益+受取利息・配当)÷支払利息割引料

 

第二次評価 定性評価


第二次評価では、決算書上数値で評価しづらい要素について評価します。

評価される要素は、具体的には以下のとおりです。

  • 経営者の能力
  • 市場の将来性成長性
  • 過去の返済履歴
  • 経営計画策定能力、財務管理能力
  • 販売力
  • 技術力
  • マスコミ記事
  • 業歴

わたくしどもの経験では、市場の成長性、経営計画力、販売力のウェートが高めに設定されています。

ただし、第二次評価で格付けが大幅に変更されることは稀なことです。

 

第三次評価 実態評価


第三次評価では、返済潜在力を評価します。    

第一次評価や第二次評価の評価対象には該当しない事項で、融資先の融資返済力を左右する事項を評価します。

具体的には、次のような項目です。

  • 不渡り手形、回収不能売掛金、換金不能な不良在庫、貸付金の回収不能分は資産から控除します。
  • 土地や有価証券の含み損があれば控除します。逆に土地に含み益があれば、プラスに評価します。
  • オーナー、支援者、関連企業に資産余力があれば、プラスに評価します。

第三次評価で格付けが大幅に変更されることもやはり稀です。

意外ですが、そもそも多くの銀行マンは積極的に会社の実態を観察して格付けに反映させようとはしていません

 

会社は、5つの債務者区分のどれかに分類される


格付けが終わると、それをベースに、会社は、5つの債務者区分へ分類されます。

債務者は、正常先、要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先の六段階のいずれかに分類されます。

どの区分に分類されるかによって、新規融資を受けられるかどうかが決まります。

正常先より下に分類されてしまうと、融資を新規にうけるのはかなり難しくなります。  

 

正常先・・・・業況が良好であり、かつ、財務内容にも特段の問題がないと認められる債務者。     

決算書上は、

@当期利益が黒字、

A純資産の部にマイナス表示(累積損失)がない、

という条件を基本的には満たしている融資先です。

ただし、赤字であっても、創業赤字の場合、一過性の赤字の場合、会社に十分な余剰資金があるか、経営者に十分な資産があり、債務の返済能力に問題がない場合には、正常先とみなされる場合があります。    

正常先は、前述した四つの指標(安全性、収益性、成長性、融資返済能力)によってさらにいくつかの格付けに区分されています。10段階ぐらいに信用格付けを決定してから、最終的に債務者区分が決まると説明しましたが、10段階評価なら上から6番目ぐらいまでの信用格付けを得た会社は、この正常先に分類されます。同じ正常先でも、上の格付けを与えられた会社のほうが、より有利な融資条件を引き出せます。

 

要注意先・・・・業績不調で財務内容に問題があったり、延滞があったりする債務者です。前述の10段階の格付け評価では、7−1に相当します。貸倒引当率は1〜数%ぐらいです。

決算上は、

@当期利益が赤字、

A融資の返済が一ヶ月以上延滞、

B純資本の部にマイナス表示(累積損失)がある

C債務超過

という条件の内一つでも満たす融資先は、該当する恐れがあります。

 

要管理先・・・・要注意先のなかでも、延滞が3ヶ月以上となっていたり、貸出条件の緩和が行われたりした債務者です。前述の10段階の格付け評価では、7−1に相当します。貸倒引当率は、とても高くなり、十五パーセントぐらいになります。

 

破綻懸念先・・・・現状、経営破綻の状況にはないが、経営難の状況にあり、経営改善計画等の進捗状況が芳しくなく、今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者。実質的に債務超過の会社です。 破綻懸念先に格付けされますと、まず、新規の融資は受けられません。それどころか、既存融資の早期回収や既存融資金利の上昇なども求められます。前述の10段階の格付け評価では、8に相当します。貸倒率は、70パーセントぐらいになります。

決算書上は、

@二期連続債務超過かつ融資の返済が三ヶ月以上延滞、

A融資の返済が六ヶ月以上延滞

という条件の内一つでも満たす融資先は該当する恐れがあります。

 

実質破綻先・・・・法的・形式的な経営破綻の事実は発生していないものの、深刻な経営難の状況にあり、再建の見通しがない状況にあると認められるなど実質的に経営破綻に陥っている債務者。前述の10段階の格付け評価では、9に相当します。

 

破綻先・・法的・形式的な経営破綻の事実が生じている債務者をいい、例えば、倒産・清算・会社整理・会社更生・和議・手形交換所の取引停止処分等の事由により経営破綻に陥っている債務者。前述の10段階の格付け評価では、10に相当します。

 

決算書で全てが決まる


信用格付けや債務者区分の方法については、どの銀行でも基本的な考え方ややり方はほとんど変わりません。

銀行の格付けにおいては、決算書に基づく第一次評価が重視されており、第二次評価・第三次評価で格付けを大幅に改善するのはかなり難しいことです。

しかし、多くの中小会社は、正常先と要注意先の境界線上にあります。

わずかな差で、正常先になったり、要注意先に落ちたりします。

人為的に努力することによって、要注意先から正常先へ評価を上げることは十分に可能です。

正常先として格付けされなければ資金調達はしづらくなります。

要注意先でも新規融資をしてもらえることはありますが、正常先の評価をもらっていたほうがはるかに銀行折衝は、楽です。

対策としては、以下の方法があります。

  • 銀行借入をしやすい決算書を作る。決算日の6ヶ月以上前からシミュレーションを実施して、決算対策を事前に打つ。
  • 経営計画を添付する。
  • 業績の経緯について説明書を決算書に添付する。特に赤字の場合には、必須です。
  • 数字に現れない自社の長所をアピールする資料を決算書に添付する。
  • 四半期ごとに報告で営業キャッシュフローがプラスであることを理解してもらう。
  • デッドエクィティスワップにより、社長借入金を資本金へ振り替える。

詳しくは以下のページをご覧ください。

⇒銀行の評価を上げで資金調達を有利にする方法

⇒銀行格付けの改善方法

 

正常先とみなされなければやってゆけない?


銀行格付けの評価・査定は部外秘ですので、自社がどの格付けに該当するのかご存知ない経営者も多くいらっしゃると思います。

正常先に該当していると、融資を通常の取引条件で借り入れできます。

同じ正常先でも、信用格付けが高いほうが金利は低くしてもらえますし、貸してもらえる金額も大きくなります。

当期利益が赤字となると要注意先とみなされる可能性があります。

正常先の下の格付けと、要注意先とでは、金利が2%以上異なります。

また、要注意先として分類されると銀行から新たにお金を引っ張るのはちょっと難しくなります。 それどころか、ころがし貸付の返済を求められることもあります。

コロガシ貸付とは、返済期日に返済額と同額の貸付を受けている、実質的な長期貸付です。

コロガシ貸付の返済は、会社からみれば、実質的には貸しはがしです。

資金調達を円滑に実行するためには、正常先の格付けを確保しなければなりません。

 

もし決算書がぼろぼろなら経営計画書が必要です


一方では、銀行は、決算書だけにたよった機械的な格付けだけにたよらず、事業性評価を重視するように金融庁から求められています。

事業性評価とは、簡単にいうと、銀行は、数字だけで割り切った定量評価をせずに、企業の実態をよく見て、融資や本業支援を行いなさいということです。

具体的には、決算書や担保・保証だけに頼らずに、企業のビジョンを理解し、SWOT分析を実施して、企業の経営実態を深く理解することにより、事業性評価を行い、その評価に基づき、格付けを行って、融資可能性を判断するということです。

決算数値がわるくとも企業に将来性があり、経営者の資質がたかければ融資支援をしなさいというのが金融庁の考え方です。

言い換えると、銀行は、融資判断の際に、定性評価の部分のウエイトを以前よりも、高めざるを得なくなったのです。

ですので、決算書がぼろぼろで担保もなく、定量評価が低くとも、会社に将来性があれば、投資資金を貸し付けてもらえる可能性は前よりも高くなりました。

金融庁は、銀行にとっては絶対的な存在なので、この金融庁の方針転換は、銀行の融資姿勢に対して大きな影響を与えています。

 

銀行による事業性評価を高めるためには、知ってもらう努力が大切です。

待ちの姿勢ではだめです。

こちらから経営計画を差し出して、会社の将来性、成長力をこちら側が証明する努力をしないと、高く評価はしてくれません。

ただ、銀行もばかではありませんので、いい加減な経営計画をつくっても、評価はしてくれません。

リアルな経営計画を作り提出することが大切です。

過去の経営実績を冷静に分析し、企業をとりまく外部環境の機会と脅威と、経営の強みと弱みを客観的に見つめる必要があります。

この分析に基づき、明確なビジョンを打ち立て、そのビジョンを達成するために、無駄をそぎ落とし、強みに経営資源を集中する、『肉を切らせて骨をたつ』式の、真摯なシナリオをつくれば、理解は得やすいでしょう。

 

銀行融資を調達する方法

 

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銀行は必ずあなたの会社を格付けします

銀行は、融資先を必ず格付けしています。

融資先は、格付けにより、つぎのいずれかに分類されます。

  • 正常先 業容が良好であり、財務内容にとくに問題がない会社。
  • 要注意先 財務内容に問題がある会社。延滞をしていたり、貸出条件に問題があったりする会社も該当します。要注意先は、一般の注意先と、要管理先にさらに分けられます。3ヶ月以上延滞しり、条件緩和を行ったりした場合は「要管理先」とされます。
  • 破綻懸念先 実質債務超過の会社で、経営破綻に陥る可能性が高い会社。6ヶ月を超えて延滞している会社も該当します。
  • 実質破綻先 実質的に経営破綻に陥っており、実質的に大幅な債務超過の状態に相当期間、陥っている会社。
  • 破綻先 法的・形式的に経営破綻している会社。

 

正常先に分類してもらえれば、問題ありません。

お金をちゃんと貸してもらえます。

要注意先となると、貸して貰うためにはちょっと苦労します。

要注意先の要管理先以下の会社は、お金は、貸してもらえません。

要管理先以下に貸しているお金は、基本的には、不良債権扱いとなってしまい、銀行は、金利をはるかに上回る貸倒引当金を計上しなければならず、損をしてしまうからです。

 

格付けは、決算書を中心に行われます。

決算書は、さまざまな視点から分析されます。

  • 収益性 わかりやすく言うと儲ける力を分析します。代表的な指標は、経常利益額や、売上高経常利益率・総資本経常利益率です。
  • 安全性 自己資本額や自己資本比率、有利子負債比率、固定長期適合率、当座比率や流動比率で判断されます。
  • 成長性 売上高や経常利益成長率が代表的な指標です。
  • キャッシュフロー キャッシュフロー額(減価償却費+税引き後利益)や、債務償還年数、インタレストカバレッジレシオなどで評価されます。

 

格付けは、決算書で80%は決まりますが、それ以外に経営の定性的な要因や、潜在的な返済能力も考慮して最終決定されます。

定性的な要因や潜在的返済能力とは、次に挙げる項目です。

  • 営業力
  • 技術力
  • 市場動向
  • 業暦
  • 経営基盤
  • 経営者の個人資産
  • 親会社の財務状況
  • 資産の含み益

 

経常利益をプラスにして、債務超過に陥らなければ、正常先にはなれます。

正常先の格付けを維持すれば、資金調達は潤滑に行うことができます。

 

赤字であればこそ資金が必要なのですが、銀行は、赤字になれば冷たいということです。

ですから、会社は、一瞬でも赤字になったらすぐに手を打ち、決算書が傷つかないようにしなければなりません。

手を打つのが遅れれば、決算書は傷つき、資金調達できなくなります。

赤字対策に有効なのがPDCAサイクルといわれる経営手法です。

PDCAサイクルとは、事業計画と実績を常に比較検証する経営システムのことをいいます。 

事業計画を計画(Plan)し、それを実行(Do)し、実績と事業計画を比較・検証(Check)して、その検証結果に基づいて事業計画を改善(Act)して次の実行へつなげていく経営管理手法です。

PDCAサイクルを導入していると、赤字となった翌月には原因究明と対策検討がすばやく実行されます。

 

赤字の理由は、だいたいつぎのいずれかに当てはまります。

  • 製品やサービスが顧客の需要からかけ離れている。
  • 製品やサービスが、オーバースペックとなっていてコスト高となっている。
  • 営業、販促を計画的・組織的にやっていない。

赤字となっても1年の余裕があればなんとかなります。

しかし、対策が遅れると決算書は傷つきます。

赤字対策の効果が発揮した期間が1ヶ月しかないと仮定しましょう。

最初の11ヶ月が赤字であれば、最後の月が黒字となっても、決算書は、おそらく赤字となってしまいます。

銀行は貸し渋ります。

しかし、PDCAサイクルを実施すれば早い時期に手を打つことができます。

赤字となった月の翌月には、原因を把握し、対策を講じることができます。

資金調達の観点からは、赤字対策は、スピードが命です。

完璧で遅い経営改善よりも、荒くとも早い対策が有効です。遅い対策は、決算への反映も遅く、決算書が悪くなり、資金調達ができなくなってしまうからです。

4つの経営指標で銀行の評価は決まる

銀行はすべての貸出先を格付け評価しています。

決算書に基づいて、点数付けをして貸すか貸さないをきめているのです。

銀行は、いったい決算書のどこに着眼してどうやって点数付けをしているのでしょうか?

 

銀行マンが会社の決算書を見るときには、黒字か赤字かにまず注目します。

しかし、実際の銀行の格付けは、そんなに単純ではありません。

決算書からさまざまな経営指標を読み取って総合的に点数をつけているのです。

 

格付けのやり方は、どの銀行も同じような方法を採用しています。

四つの指標を計算してその指標にそれぞれ、点数をつけて合計しているのです。

4つの指標とは、次の4つの財務指標です。 

  • 収益性
  • 安全性
  • 成長性
  • キャッシュフロー

 

収益性とは、儲けのことです。

代表的な指標は、経常利益額や、売上高経常利益率・総資本経常利益率です。

経常利益は、支払利息を負担してもまだ経常的に稼げる会社の実力を表します。

売上高経常利益率は、経常利益を売上で割った指標です。売上に対する経常利益の割合を示します。

総資本利益率は、経常利益を総資本で割った指標です。投入した資本に対してどれだけの利回りが実現されたかを示しています。

 

安全性は、財務的な安定性です。自己資本額や自己資本比率、有利子負債比率、固定長期適合率、当座比率や流動比率で判断されます。

自己資金は返済不要の資金ですので、大きければ大きいほど、財務的な安定性は高いと判断されます。

自己資本比率は、借り入れなどの外部資本に頼らずに、自分資金で事業を行っている度合を示します。財務的な健全性を判断する代表的な指標です。

有利子負債比率は、有利子負債額を自己資本で割った指標です。借入れ金額の多寡を判断します。

固定長期適合率は、固定資産を固定負債と自己資本の合計が割った比率で、長期的な資金で長期的な投資を行っているかを判断する指標です。

当座比率は、現金預金や売掛金・受取手形なでの換金性の高い資産を流動負債で割った指標です。流動比率は、流動資産を流動負債で除した指標です。ともに高ければ高いほどに、当面の支払い能力が高いことを示します。

 

成長性は、売上高や経常利益成長率が代表です。

会社の売上が大きければ資金需要があるのは当然と判断されます。

経常利益率が成長していれば、会社の実力が伸びていると判断されます。

 

キャッシュフローは、「減価償却費+税引き後利益」のキャッシュフロー額や、債務償還年数、インタレストカバレッジレシオなどで評価されます。

「減価償却費+税引き後利益」は、債務を償還する原資です。この値は大きければおおきいほど、会社の財務は健全です。

債務償還年数は、有利子負債が何年で償還されるのかを見るための指標です。低ければ引くほど、借入余力があるものを判断されます。一般的にこの指標は、15年が限界とされています。

インタレストカバレッジレシオは、営業利益と受取利息の合計が、支払利息の何倍あるかを示す指標です。支払利息の負担度合いが高いか、低いかを見るために使われます。

 

銀行の格付けの数式は、上記のように複雑です。

黒字か赤字かということだけで、単純に判断しているわけではありません。

実は、それ以外の要素が、大きいのです。

決算が、黒字か赤字かだけに注目していると逆に会社の格付けを下げてしまう決算対策をしてしまうこともありえますので、ご注意ください。

ローカルベンチマーキングと銀行による事業性評価

ローカルベンチマーキングとは、経済産業省が推奨する『健康診断ツール』です。

英語をカタカナにしただけなので、直観的には意味がわかりづらいですが、『優良なものと比較して、改善をはかる方法』と考えてください。

優良なものの判断基準として、さまざまな基準が提示されています。

 

メリット

目的は、このツールを使って経営者と金融機関とが、一緒に会社の健康診断を行い、対話を深めて、金融機関に会社の事業をより深く理解してもらい、会社の成長のためにもっと積極的に支援をしてもらうことにあります。

 

さらに、ものづくり補助金などの申請のときに、計画の基礎にもなります。

 

流れ

6つの財務情報と、商流および業務フロー、4つの非財務情報といった様々な視点から、会社を診断します。

 

健康診断ツールなので、まず、会社の課題に気づきをもつのが、最初のステップです。

次に、その課題に対して、自社の強みを生かして会社を成長させるアイディアを出し合います。

 

診断は、社長が中心となって、金融機関を巻き込むのが理想です。金融機関に会社の成長可能性を理解してもらうのが、目的だからです。

金融機関と一緒に分析をすることにより、会社の課題と強み、主要施策、成長可能性を共有し、成長分野へ、より積極的な融資支援をしてもらうのです。

 

金融機関には、会社は、弱点を隠す傾向があります。

とにかくよいことをいって、お金を引き出そうとします。

そうではなくて、課題も含めて、自社の情報を積極的に金融機関に開示して、金融機関に、自社の強みや課題解決の後に実現する成長性を深く理解してもらうのです。

課題もわかってもらわなければ、強みは理解してもらえません。

 

言い換えれば、過去の数値には、表れない、強みや非財務的な会社の成長性を、金融機関に理解させるのが目的といえましょう。

金融機関は、財務以外の情報にも目を向けて会社の成長性をしっかりと捉えるべきだという考え方が背景にあります。

 

その意味では、数値に現れない定性情報を理解してそれに基づいて、会社の事業を評価して、融資をしなさいという金融庁が指導している事業性評価の考え方に直結しています。

 

ローカルベンチマーキングで使われる分析手法は、6つの財務情報、商流及び業務フロー、四つの視点です。

 

6つの財務情報

  • 売上高増加率 売上の対前年増加率です
  • 営業利益率 売上高営業利益率です
  • 労働生産性 労働者の付加価値に対する効率です
  • EBITDA有利子負債倍率 収益力に対する借金の相対的大きさです
  • 営業運転資本回転率 売掛金や在庫に眠っている資金の大きさです
  • 自己資本率 総資本に対する自己資本の割合です

 

四つの視点(非財務情報)

  • 経営者への着目 経営者自身のビジョン、経営理念、後継者の有無
  • 関係者への着目 シェア競合他社との比較、顧客リピート率、市場規模
  • 事業への着目 ITの能力、企業および事業沿革、技術力・販売力の強み弱み
  • 内部管理体制への着目 組織体制、人事育成システム、経営目標の共有状況

 

会社のメリット

信用金庫、地方銀行などの中小企業の身近な金融機関も、ローカルベンチマーキングを使って、会社の事業性評価を行う場面が増えているので、中小企業としても、積極的にローカルベンチマーキングに取り組むべきでしょう。

 

ロカベンと経営計画

経営計画は、会社の事業への理解を高めるので、銀行の事業性評価を高めてくれます。

経営計画を作成してそこから、経営課題と施策を考える作業は、ロカベンと重なる部分がとても多いので、援用できる部分が多くあります。

経営計画をつくってロカベンに臨むと、とても精度の高いものができます。

 

ちなみに、当事務所では、すべてのお客様に経営計画を作成しております。

ご関心がある方は、ぜひ、当事務所の無料相談をご活用ください。

ローカルベンチマーキングも、積極的に支援しております。

 

銀行融資を調達する方法
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