銀行が粉飾決算を見抜く方法−架空売上

決算が赤字になると経営者は、銀行がお金を貸してくれなくなるのではないかと不安を感じます。

不安を感じるのも、仕方がありません。

在庫や売掛から生じる資金負担を自己資金で手当てできる会社は、ほとんどありません。

運転資金は、実は、長期的かつ固定的に必要な資金なのです。

しかし、多くの中小企業は、短期融資で運転資金を調達しています。

運よく、長期資金で手当てすることに成功している会社も、返済した部分について折り返し融資をしてもらわなければ、運転資金が枯渇してしまいます。

 

赤字になると、ほとんどの経営者が、決算書をお化粧して、なんとか表面上は、黒字にしたいという誘惑に駆られます。

いわゆる粉飾です。

 

しかし、銀行は粉飾決算を見抜く分析をしています。

粉飾をみぬかれたら、新規融資は、止められます。

多くの中小企業にとって新規融資が受けられないことは、運転資金の枯渇を意味します。

 

銀行がどうやって粉飾を見抜くのかについてご説明します。

粉飾で一番よくとられる方法が架空売上です。

仮に100万円の赤字の会社があるとします。

この会社が架空売上を200万円だけ計上すれば100万円の黒字となります。

ただ、架空売上なので、売掛金は回収されませんので、売掛金残高が100万円大きくなってしまいます。

架空売上による粉飾は、現金の回収がないので、売掛金残高が架空売上の金額だけ大きくなってしまうのです。

 

銀行は、売掛金の残高が不自然に大きくないかどうかを、売掛金の回転期間を分析して検証しています。

回転期間とは、売掛金と受取手形の合計を平均月次売上で割って、得られた数値です。

売上が回収されるまでの期間を意味します。

売掛金が100、年間売上が1,200であれば、月次の平均売上は100なので回転期間は1ヶ月です。

売上の回収に1ヶ月がかかるということです。

銀行は、売掛金の回転期間が適正な値かどうかを、つぎの三つの方法で検証しています。

  • 回収条件からの検証
  • 業界平均との比較
  • 時系列分析

 

例えば、お客からの売掛金の回収条件が平均して1ヶ月後の会社は、売掛金の回転期間は、1ヶ月となります。

しかし、粉飾をしていると売掛金の回転期間は、回収条件から推定される値よりも大きくなってしまいます。

粉飾された売上は、回収されようがないので、売掛金残高を不自然に膨らませてしまうのです。

銀行に決済条件を知られてしまうと容易に粉飾決算を見抜かれてしまいます。

 

銀行は、業界平均とも比較してきます。

会社が粉飾をして、しかも回収条件についてうまく嘘をついても、銀行は、その業界の売掛金の平均的な回転期間と比較をしてきます。

1ヵ月後に売掛金が回収されるのが通例の業界では、その会社の売掛金の回転期間も、1ヶ月となるはずです。

しかし、粉飾をしていると業界平均よりも売掛金の回転期間は大きくなってしまいます。

売掛金の回転期間を業界平均値と比較されることによって粉飾が見抜かれてしまうのです。

 

仮に回収条件をひたかくし、業界平均のデータがとりづらい業界であったとしても、時系列分析によって最終的には粉飾は見抜かれます。

粉飾は麻薬のようなものです。

一度、はじめるとなかなかやめられません。

厳しい経営改善をしなくとも、帳簿をいじくるだけで資金調達ができるのですから、一度はまったら抜けられません。

しかし、架空売上は、回収されることはないのでどんどんと売掛金は膨らみ続けます。

回転期間は、どんどんと大きくなっていってしまいます。

1ヶ月の回転期間が、翌年には、1.5ヶ月になり、その次の年には、2ヶ月になっていきます。

売掛金の回転期間は、固定的であるはずです。売上が伸びても回収条件が悪化しないかぎりは、回転期間は、どの事業年度も不変です。

時系列的にみて、回転期間が増加し続けるのは不自然なことなのです。

粉飾をしている会社では、この不自然な増加がおこり、銀行に粉飾を見抜かれてしまいます。

 

粉飾が見抜かれたら、銀行は、新規融資には応じてくれません。

悪質な場合には、借入金の一括返済を求められます。

中には、損害賠償を請求されたケースもあります。

安易な方法に頼りすぎると、最終的には墓穴をほってしまうことになるのです。

 

これらの銀行の発見システムは、万全ではありません。

2、3年ならばれないようにぎりぎりの決算をすることは難しくありません。

場合によっては、こういった苦渋の選択をせざるをえない場合もあるとは思います。

ただ、粉飾を積み重ねていけば、どんなに巧みな技術をつかってもいつかは発見されてしまうことは歴史が証明しています。

粉飾に頼らずに、むしろ経営管理をきちっとして、赤字にならない経営を優先させるべきでしょう。


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粉飾決算の見抜かれ方−架空在庫

経営者は、決算書が赤字になるのを恐れています。

赤字になると銀行がお金を貸してくれなくなると思い込んでいるからです。

一時的な赤字であれば、事業計画書をつくり、赤字原因を取り除く改善策を明確に示せば、銀行から運転資金を引き揚げられることはありません。

 

しかし、正攻法でゆかずに、粉飾に頼ろうとする経営者は少なくありません。

心情は理解できます。

 

粉飾において架空売上と並んでよく使われる方法が、架空在庫です。

架空在庫を計上するとその分だけ売上原価が減り、利益が増えます。

 

銀行も最近は融資先の粉飾決算を見抜く力を向上させてきています。

分析ソフトを使って、決算書に異常点がないか、必ずチェックします。

架空在庫についても目を光らせています。

 

銀行は、まず、社長との雑談のなかから、在庫残高の妥当性を検証します。

『売上の何か月分ぐらいの在庫を抱えているのですか?』

うっかり言ってしまった返答と、決算書の在庫残高が矛盾していれば粉飾を疑われます。

 

そのほかに、銀行は、決算書をさまざまな角度から分析しています。

銀行は、在庫の回転期間を算出します。

回転期間とは、在庫残高を月次の平均売上原価で除した数値です。

仮に在庫の回転期間が2ヶ月であれば、仕入から販売に要する期間は、2ヶ月であることを意味します。

 

銀行は、回転期間を時系列に分析します。

在庫の回転期間は、製品構成が変わらない限り、変化することはありません。

回転期間が大きく増加すれば銀行は粉飾を疑ってきます。

 

かりに年商が120で在庫が10の会社があるとします。

原価率が50%であれば、1ヶ月の平均売上原価は、5です。回転期間は、2ヶ月となります。

売上が120から60に落ちれば、それに比例して在庫も、10から5へ落ちるはずです。在庫の回転期間は、2ヶ月で不変のはずだからです。

粉飾をして架空在庫を5だけ計上するとしましょう。在庫残高は、以前と同じ10のままですが、回転期間は、倍の4ヶ月となってしまいます。

製品構成が大きく変わらない限り、在庫の回転期間が大きく変化することはありません。

納得のいく説明がされないかぎり、銀行は、粉飾を疑ってきます。

 

また、銀行は、業界平均とも比べてきます。

業界平均が2ヶ月なのに、3ヶ月分の在庫があり、業界平均より1ヶ月分も大きければ、銀行は怪しいなと思います。

 

貸付金は、銀行が一番嫌う勘定科目

銀行は、貸付金勘定を嫌います。

この勘定科目が使われているだけで、会社の評価は大きく下げられてしまいます。

 

貸付金勘定は、損金に落としづらい経費を処理したり、事業と関係ない接待費や使途不明瞭な支出を処理したりするためによく使われるからです。

会社の利益を粉飾するために、正当な事業経費を貸付金に振り返ることもあります。

本来、費用として処理されるべき支出が貸付金という資産として計上されるので、その額だけ会社の利益が大きく見せかけられてしまいます。

 

貸付金があると、銀行は、お金が会社の事業目的以外のために転用されているのではないかと疑ってきます。銀行がお金をかすのは、その会社の事業のために使われることが前提です。資金が流用される可能性のある会社には、資金を貸してはくれません。

 

銀行はとにかく貸付金勘定が嫌いですから、決算書には、貸付金は計上していけません。

融資にあまり詳しくない税理士事務所が好んで貸付金勘定を使いますので経営者のかたは気をつけてください。

ほかの会計処理をするように、強く要望しなければなりません。

 

貸付金がどうしても発生するときには、評価を下げられないために銀行に貸付内容を積極的に開示しなければなりません。

借入先との関連性、貸し付けた資金の使途、返済条件を明確にしましょう。

その貸付が会社の事業のために必要な資金支援であり、かつ、確実に返済されることを示す必要があります。

住宅取得のために貸付金であるとか、正当な理由が必要です。

でないと、銀行は、勝手に粉飾だと決め付けて、貸付金の額だけ、自己資本を減額して評価してしまいます。

自己資本が減額されると格付けは下がり、融資は調達しづらくなりますので、貸付金勘定は使わないようにしましょう。

 

また、貸付金が毎年毎年、同じ金額だけ計上されていると、どんな言い訳を言っても、銀行は返済されない不良債権とみなして、やはり、自己資本をその分だけ減額してしまいます。その貸付金が、資産性のあるしっかりした債権であると判断してもらうためには、少しずつ返済してもらい、貸付金の残高を毎年、減額させる必要があります。

 

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究極の粉飾決算

銀行は貸付金勘定が大嫌いです。

貸付金勘定があると、銀行マンは粉飾していると疑ってかかります。

貸付金は、経費になりづらい支出を、窮余の策として資産計上するために使われていることが多いからです。実態は費用性の支出なので、貸付金の分だけ、会社の利益は水増しされています。

 

銀行が、貸付金勘定を嫌うには別の理由もあります。

銀行は、会社の事業目的に使ってもらうために、資金を貸しています。

そのお金を他社に貸したり、株やFXなどの投機目的に使ったりするのは、資金使途違反なのです。

 

社長や関係会社に対する貸付金は塩漬けとなって滞留することが多く、前期の残高と比較することによって、簡単に粉飾だと見抜かれてしまいます。

 

貸付金勘定が決算書に計上されていると銀行借入の大きな障害となります。

 

保険を使ってこの貸付金勘定を消す手法をご紹介します。

スキームは次のとおりです。

 

会社が生命保険に加入して、保険料を一時払いします。

社長は、この一時払いされた保険を担保として、ノンバンクからお金を借り入れします。

この借り入れた資金を会社に支払うことによって、社長貸付金は、消えてなくなります。

会社の決算書上は、社長貸付金が消えて、かわりに保険積立金が計上されます。

保険積立金勘定は、資産性があるので、銀行の評価が下がることはありません。

社長は、役員報酬のなかから、ノンバンクからの借入を返済していきます。

 

この手法は、以前ほどには、使われなくなった手法ですが、まだ、ノンバンクの一部が対応しています。

 

なお、この手法は、担保についての注記を省いてしまっているので会計的には正しい手法とは言えません。

実行する場合には、自己責任でお願いします。

 

銀行に粉飾決算を見抜かれてしまったらどうなる?

銀行マンは、軽微な粉飾決算なら見てみぬふりをします。

会社が粉飾をしていたことが公となれば、支店長や審査に報告書を作成しなければならなくなります。

報告書をまとめるには、実際の利益水準を分析する必要があるので、とても手間がかかります。

忙しい渉外担当の営業マンにとってはとてもいやな仕事です。

それだけではありません。

粉飾が数期に及ぶ場合には、その間のモニタリング責任を問われます。

粉飾決算に基づいてお金を貸し続けたわけですから、しっかりと会社を見ていなかったのではないかと言われてしまいます。

粉飾が表ざたになれば、銀行マンにとってもいいことはありません。

ですから、軽度の粉飾なら、回収とか訴訟とかいった措置をとられることはありません。粉飾以外の適当な理由を挙げられて新規融資を断られる程度ですみます。

 

しかし、粉飾の程度がひどくなると、それに応じて銀行の態度は厳しくなってきます。

 

悪質な場合には、一括返済を求められます。

中には、損害賠償を請求されたり、あるいは、刑事告発をされたりするケースもあります。

より強硬な措置をとられるか否かは、粉飾の金額と借り入れした金額によって決まります。粉飾により水増した金額が、利益に占める割合が高く、かつ、借り入れした金額が大きければ、その分だけ銀行のとる対抗措置は厳しいものとなります。

 

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粉飾決算のデメリット

粉飾は麻薬のようなものです。

一度やるとやめられなくなります。

数字をいじるだけでお金を借りられて会社が回るのでとても楽です。

必死に営業をしたり、血がにじむような思いをして新製品を改良したり、業務改善をしたりする必要はありません。

 

しかし、粉飾は一度、始めると修正するのがとても苦労します。

簡単な例でご説明します。

利益がマイナス500万円の赤字の会社が粉飾をするとしましょう。

粉飾によって利益を1,000万円だけ水増ししたとしましょう。

マイナス500万円と、粉飾の1,000万円が相殺して、決算書上の利益は500万円となります。

この粉飾を解消するためには、翌期は1,500万円の利益を出さなければなりません。

当期の粉飾の解消のために利益が1,000万円だけ食われてしまうからです。

翌期は、1,500万円の利益と、粉飾の修正額とが相殺して、決算書上の利益は、同じ500万円となります。

しかし、マイナス500万円の赤字の会社が、1,500万円もの利益を出すのは至難のわざです。

いったん、粉飾を始めると粉飾を完全に解消するのはとても困難なのです。

粉飾をいったん始めると、翌期も1,000万円、翌々期も1,000万円と粉飾を続け、粉飾額がどんどんと蓄積していきます。

架空在庫や架空売掛金の残高が膨らみ続けます。

いつかは、銀行にばれて新規融資を止められてしまいます。

場合によっては、融資の一括返済をもとめられることもありえます。

粉飾は、麻薬と同じです。

いったん始めると習慣化して、最後には身を滅ぼすことになるのです。

 

粉飾を継続していると、経営者自身も会社の業績がわからなくなっていきます。

まさかと思われるかもしれませんが、この弊害は、必ず発生します。

最初の粉飾のときは、経営者はその内容がよくわかっているので、経営実態がわからなくなることはありません。

しかし、2、3年目になると数年度の粉飾が蓄積してきます。

また、粉飾の技法も、在庫、売掛金、固定資産、保険積立金、現預金と複数の勘定科目に及びます。

そうなると、過去分と当期分の粉飾が混在し、また、勘定科目も多岐にわたるので、経理の専門家でも、実態は把握しづらくなります。

黒字か、赤字かもわからなくなってしまいます。

実態がわからない状態で、経営ができるはずがありません。

粉飾している会社では、会社経営者自身が会社の実態がわからなくなり、会社の倒産を早めることになります。

まさかそこまで経理が混乱することはないだろうと思われるかもしれませんが、粉飾を継続している会社は、必ずと言ってよいぐらいに頻繁に起こる現象です。

 

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銀行ごとに異なる内容の決算書を出したらどうなるか?

会社によっては、銀行によって違う内容の決算書を提出していることがあります。

銀行によって決算書に対する指摘が異なるためです。

同じ銀行でも銀行マンごとに決算書を見て指摘することが異なることもよくあります。

銀行に喜ばれる望む決算書を捏造して、お金を借りようと考えるのです。

 

銀行同士は、顧客の決算内容について情報共有することは決してありません。

ですから大丈夫だろうと考えがちですが、他のルートとから銀行に見つかってしまうことがあります。

 

信用保証付き融資の場合には、銀行に渡した決算書は、信用保証協会に提出されます。

銀行ごとに異なる内容の決算書を出すと、信用保証協会に異なる内容の決算書が提出され、そこで悪意の決算操作がばれてしまいます。

信用保証協会に粉飾を指摘されれば、銀行も穏便に解決することはできなくなります。

 

帝国データバンクが調査にくると多くの会社は、決算書を見せます。

決算書を見せないと評点を下げられるからです。

帝国データバンクに見せた決算書と、銀行に提出した決算書が異なれば、粉飾は発覚してしまいます。

銀行の90%は、帝国データバンクの信用調査報告書に目を通しているからです。

 

二つの異なる決算書を見つけたら、銀行は、厳しい対抗措置をとってきます。

少なくともどちらかの決算書は、真実ではなく粉飾をしていることが、完全に証拠づけられるからです。

新規融資はもちろん断られます。

一括返済をもとめられたり、損賠賠償訴訟を起こされたりすることもあります。

確固たる証拠があるので、言い逃れは、できません。

 

決算書をいくか作っていると、経営者自身が実態かわからなくなってしまうことがよくあります。

はじめのうちはわかっていますが、2、3年と決算操作を続けていると過去の決算操作と当期の決算操作が混同してきて、正しい数値がわからなってきます。

会社に利益が出ているのかどうかも、わからなくなってきます。

複数の決算書を作っている会社では、会社経営者自身が会社の実態がわからなくなり、会社の倒産を早めることになるのです。

大げさな話ではありません。

これは悪意の決算操作をしている会社では、頻繁に起こる現象です。