この記事の著者
工藤聡生
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政経出身、公認会計士・税理士。
工藤聡生
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政経出身、公認会計士・税理士。
減価償却資産を修繕したり、改良したりするための支出は、多額になることがあります。
修繕費と処理できるか、資本的支出として固定資産計上するかによって納税額が大きく影響されることがあります。
修繕費の金額が大きくなると否認されるのを恐れて資産計上しがちです。
しかし、つぎの支出は、金額が大きくとも修繕費です。
さらに、物理的にものが加わった場合には、資産計上してしまいがちです。
税理士でも物理的に新たなものが加わると修繕費ではないので資産計上しなさいと指導してしまう場合があります。
しかし、この場合も上記条件を満たせば修繕費です。
平成13年9月20日の裁決事例は、ご紹介しましょう。
この裁決では、流通センターの雨漏りを防ぐために、陸屋根を、鉄骨を組のんでアルミトタン又はカラー鉄板の屋根で覆いました。物理的に新たな屋根が付け加えられたわけですが、要した費用10,935千円が、修繕費として認められました。
新たな屋根が加わりましたが、雨漏りを防ぐ一番安価な方法であり、本来の使用可能期間を維持する効果しかなく、かつ、新たな利用価値も認められないことから、全額が修繕費と認められたのです。