黒字化と月次管理(PDCAサイクル)

この記事の著者
代表者

工藤聡生 
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政経出身、公認会計士・税理士。

中小企業のうち、黒字企業は何%ぐらいかご存知でしょうか?
国税庁によれば、75%の会社が赤字です。
25%の会社しか、利益を出していないのです。
残念な数字ですね。

では、黒字を出すにはどうしたらよいでしょうか?
ほとんどの人は売上を伸ばすことをお考えになるでしょう。
確かにそうです。
売上が決定的に足りなければ、黒字は無理でしょう。
営業力や製品力が段違いに強ければ、黒字確保は容易です。

では、営業力も製品力・サービス力も通常戦力しかない会社が、黒字を達成するにはどうしたらよいのでしょうか?
ここで1つの傾向を御提示することができます。
社長が売上確保だけでなく、財務数値に関心を持っている会社は、黒字化率はとても高いことが観察されています。
月次で業績と資金繰りを分析している会社は、60~70%が黒字化しています。
黒字と赤字の比率がほぼ逆転するのです。
ちなみに創業経営者で会社は大きくした方は、例外なく会計に強いです。
松下幸之助、孫正義、柳井正、ホンダの藤沢武夫と例を挙げればきりがありません。

月次で、会社の業績・資金繰りを分析して、課題分析をしている会社は、黒字を確保しやすいのです。
利益が落ちても、赤字を生み出している製品、部門、顧客をすばやく分析して、挽回策を講じることが功を奏しているのです。
人、設備、販促コスト等々の経営資源が無駄に使われていないかを、毎月、財務データに基づいて詳細に分析検討して、こまめに改善アクションを起こしているので財務体質が強いのです。

経営はもともと、営業、人の管理、会計の三つの要素から成り立っていると言われています。
例えば、アメリカのMBAコースは、この三つの切り口から、バランスよく個別の学科が設定されています。
この三つの経営要素のどれか1つが欠けた企業は、もろいということなのでしょう。
日本の名経営者も、例外なく会計には明るいひとたちばかりです。

月次で財務諸表を読み解き、改善アクションをとる行為は、誰でも習慣化できることです。
意外と手間もかかりません。
会社の生存率が倍以上になるのですからやらない理由はありません。
まだ、習慣化されていない社長さんは、ぜひ、御一考ください。

general

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