会社の利益を伸ばす経営計画書の作り方

この記事の著者

工藤聡生 
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政治経済学部卒、公認会計士・税理士。

この記事では経営計画書により会社の利益を伸ばす4つのコツについて説明します。
多くの方が、経営計画書を数字の予想だと勘違いしています。
社長だけでなく、会計事務所のほとんどもそう思い込んでいます。
しかし、いくら数字だけをこねくり回しても会社は伸びません。
数十ページの経営計画書を作っても会社は1ミリも変革しません。
経営計画書は、作り方が大切なのです。

経営計画書は、社員を巻き込んで作らないと意味がありません。
経営計画書作成の第一歩は売上目標です。
会社の売上目標を立てるときは、1人1人の社員から売上目標を拾い上げて、経営計画を作成してください。
部門別、商品別やお客様別の方が計画がたてやすければそれでもかまいません。
ただ、必ず、社員ひとりひとりに細分化してください。
第1のコツは、売上目標を社員ひとりひとりに細分化することです。

経営計画書はなんども作り直しが必要となります。
社員から売上目標を集計して経営計画書をつくっても利益が出ないことが多いからです。
それどころか、資金繰りがショートしまうことになることもあります。
その場合には、対策を考えなおし、社員に事情を説明して目標を増額してもらう必要があります。
経営計画書は、利益が出るようになるまで何度も作り直します。
数回の修正ののちに、会社全体の経営計画とそれに対応した、個人別の数値目標、行動計画が完成します。
第2に大切なことは、社員が納得した上で、会社の目標を社員一人一人に細分化することです。

次に重要なことは計画をつくりっぱなしにしないということです。
個人別の進捗状況をフォローする必要があります。
せっかく、目標を設定しても進捗を管理しなければ意味がありません。
社長が目標の達成に関心がないのに社員が目標を達成しようとするはずがありません。
会議で定期的に報告させたり、進捗状況を表にして公開したりすることは有効な方法です。
第3に重要なのは個人目標の進捗状況をフォローするということです。

ただ、進捗をフォローして社員を追い込んでも、社員に動機づけをもってもらわないと成果は期待できません。
目標の達成が自分のメリットにならなければ、社員はやる気はおこしてくれませんし、それどころか、やがては会社をやめてしまうでしょう。
どんなにがんばっても社長が得するだけだろうと思えばやる気は起こりません。
やる気なくして攻めのアイディアはうまれせん。
やる気がなければ言い逃れや責任転嫁しかしません。
戦意を向上させる必要があるのです。
社員の戦意を向上させるためには、目標の達成度合いを報酬とリンクさせる必要があります。
目標が達成できたら、相当の報酬増加があることを約束するのです。
社員が目標を達成できれば利益は伸びますし、社員も報酬が増加する。
社員と会社の利益を同期させるのです。
第4に大切なのは、個人目標と報酬をリンクさせることです。
せっかく、社員が目標を達しても、報酬を増せば、利益は減るではないかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
増分利益の一部分が報酬増加分となるように制度設計するので、社員が目標を達成すれば、会社の利益は結果として必ず増加します。
増加利益を会社と社員が2等分するイメージを持ってください。

上記の4つの条件を満たせば、経営計画書は、会社の利益を必ず増やしてくれます。
社員がやる気をおこし、社長が気付かなかったような戦術で、会社を革新してくれるようになります。
社長ひとりだけが一生懸命に走っている会社から、社員が社長を後押ししてくれる会社に生まれ変わります。

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