昨年、開業しました。

昨年夏に開業しました。

個人でネットを通じて物販をしています。

初年度としては、想定よりは大きな売上を上げることができました。

3月に申告をして、借入を行い、事業を拡大しようと考えています。

決算を黒字にすれば、融資してもらえますか。

 

税理士の工藤がお答えします。

 

開業したてですので、本来は、審査規準のとても緩い創業融資を利用できるはずですが、決算をされる予定なので、実質的には、創業融資制度は適用されません。

通常の事業融資と同様の、厳しい審査が適用されることになります。

 

創業融資とは、日本政策金融公庫や信用保証協会が、起業家向けに提供している、低利で長期の融資制度です。

創業融資の場合には、創業計画書と言われる事業計画をもとに審査がされるので、黒字の実績を残す必要はありません。

創業計画書と言われる、事業の青写真だけでお金を貸してくれるのです。

借入は、実は、創業時の方が楽なのです。

多くの創業者が、創業融資を利用して開業をしています。

 

ただ、質問者様の場合には、決算を控えています。

創業から2期を終えていないので、要件上は、創業融資制度が適用されるべきなのですが、最初の決算が終わると、実務上は、そちらが優先され、通常の事業融資とほぼ同じ扱いとなります。

 

事業融資の場合には、実績が重視されるので、利益が出ていることが望ましいです。

赤字だと、赤字の補てんにお金が使われてしまうのではないかと勘繰られます。

金融機関は、赤字の填補のためにお金は貸してくれません。

一時的な運転資金の立替や、将来利益を生む設備投資などの前向きな資金しか貸してくれません。

ですので、決算が黒字の方がはるかに有利です。

 

ただ、黒字だから必ず貸してくれるというわけではありません。

まず、資金使途と返済財源という二つの審査ハードルをクリアする必要があります。

 

資金使途とは、借りたお金の使い道です。

使い道がはっきりしていないと銀行はお金を貸してくれません。

しかも、使い道は、前向きでなければなりません。

運転資金であれば、将来の売上のための在庫投資、売上と仕入れの回収期間のずれ等による資金手当など、売上に伴う一時的な借入であり、完済できることが明らかでなければなりません。

また、設備投資なら、会社の利益を伸ばす投資である必要があります。

設備投資の場合は、見積書の提出も必要となります。

さらに後日、領収書がチェックされ、実際に購入のために資金が使われたどうかが確認されます。

いずにれしても赤字補填でなく、かつ、前向きな使途であることを説明できるようにしてください。

 

二つ目のハードルの返済財源とは、借りたお金を返済する財源が確実にあることです。

運転資金であれば、近い将来の売上で、短期間に返済できること、長期の設備投資資金であれば、生み出される利益からこつこつと返せることを示す必要があります。

口頭では説得力が乏しいので、簡単なものでもよいので、できれば、資金繰り計画をつくって説明した方がよいでしょう。

 

さらに、開業したてですので、やはり、自己資金や事業経験も問われます。

自己資金とは開業のときに自分でためた資金です。

自己資金が十分にあったのか、また、実在していたかという観点から審査がされます。

そのため、少なくとも開業6か月前からの通帳は、必要となります。

 

業種経験も豊富なほど、審査は有利となります。

営業経験があるとさらに有利です。

経験の強みをアピールして、その強みが事業の強みにつながっていることを強調する必要があります。

 

なお、金融機関への申し込みの際には、個人開業届が必要ですので、税務署関連の手続きはすべて完了させてください。

また、個人の確定申告の期限は、3月15日ですので、必ず厳守してください。

また、税金も完納しておく必要があります。

 

また、担保にいれられる不動産当をお持ちですと、銀行はその価値分だけ融資を保全できるので審査は格段にあまくなります。

 

初めての銀行借り入れについてご不安をお持ちでしたら、工藤公認会計士税理士事務所の無料相談にお申込みください。

金融機関経験者が丁寧にアドバイスさせていただきます。

 

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