日本政策金融公庫は、赤字の会社に融資をしてくれますか?



事業拡大のために1,000万円ほど、借入をしたいと思っています。
IT関連の仕事をしており、社長のわたし以外には、社員が、二人います。
設立2年目です。
一期目は、ソフトウェアを繰延計上しましたが、それでも赤字決算でした。
二期目には、黒字を確保できそうです。
資本金は、900万円ありますが、手元資金は100万円しか残っていません。
こんな状況で1000万円を借りることは可能でしょうか?
面談には、決算書のほかにどんな資料が必要でしょうか。
個人の通帳が必要という話を聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?

必要な書類は、

  • 借入申込書
  • 創業計画書
  • 設備投資をするなら、設備投資の見積書
  • 決算書
  • 会社、個人の通帳の提示
  • 会社の登記簿謄本

などです。

個人の通帳の提示は求められますが、審査の重点は、会社の決算書に置かれます。
第一期目の決算が終わっているので、決算内容で会社は評価されます。
第一期目は、大幅な赤字のようですし、手元資金も大幅に減っておりますので、残念ですが、調達は難しいかもしれません。

ただ、二期目が黒字予想なので、この点を強く推していけば、調達の可能性はあります。
創業計画書で、二期目以降の黒字化の見通しを丁寧に説明する必要があります。
2期目の最新の月次が黒字であるなら、それも提出してアピールしてください。
それでだめなら、二期目の決算が終わってから、再チャレンジしてください。

創業まもない会社でも調達しやすい公的な融資制度を創業融資と言います。
創業融資の場合は、まだ、会社の実績がないので、創業計画書という青写真に基づいて審査がされます。
計画の信頼性、自己資金の有無や事業経験に焦点を置いて審査されます。
個人の通帳がチェックされるのは、自己資金の由来を確認するためです。

規定上は、創業2期目ですので、この創業融資の要件に該当します。
ただ、すでに一期目の決算が終了しているので、その決算書に基づいて審査がされます。
創業融資の制度は適用されるかもしれませんが、実際の審査は、創業融資扱いにはならず、実績で審査されるでしょう。

最初の決算日を経ていますので、決算書の内容に焦点を置いて審査されます。
個人の資産状況は、創業融資ほどには、重視されません。
ですので、通帳の提示は求められますが、審査の重点は、決算書に置かれます。

申込者さまの場合には、一期目が大幅な赤字で、自己資金額も大きく減らしています。
まだ開業間もない段階で創業融資を申し込まれたら、調達できた可能性は高いのですが、現時点では、かなり難しくなっています。
一期目の赤字決算が悪い影響を与えてしまいます。
創業一期目ですので、赤字になるのは無理からぬことです。
優良企業の多くも創業間もない時期は、赤字でした。

金融庁も、この点を考慮して、創業期に赤字だからといって評価をむやみと下げてはいけないと金融機関に指導しています。
しかし、現実には、赤字決算は、審査上大きな減点要因とされてしまいます。
創業資金の融資は、創業直後に申し込むのがベストであると言われているのはこのためなのです。

このリスクを承知の上で、あえて創業融資にチャレンジされたらいかがでしょうか。
2期目の月次決算や、黒字化実現の創業計画書(事業計画書)でうまくアピールすれば、必要な資金を調達できる可能性は、あると思います。

目次

創業融資の基礎知識

  1. ⇒そもそも、お金は借りるべきなの?
  2. ⇒創業資金の集め方 さまざまな創業資金の集め方をご紹介します。
  3. ⇒日本政策金融公庫とは? 創業者にも貸してくれる公的金融機関
  4. ⇒信用保証協会と制度融資 信用保証協会の基本を理解しましょう
  5. ⇒『新創業融資制度』について 無担保、無保証の創業融資制度です。
  6. ⇒『中小企業経営力強化資金』について 無担保、無保証、要件上は自己資金不要、しかも融資額は最大2,000万円です。
  7. ⇒『新規開業資金』について 借りやすい創業融資制度です。
  8. ⇒東京都と市区町村の創業融資 ともに信用保証協会と自治体がバックアップする創業融資制度です。
  9. ⇒市区町村の創業融資の重大な欠陥
  10. ⇒創業融資の比較 選んではいけない創業融資制度とは?
  11. ⇒日本政策金融公庫と制度融資は、どちらが得か? 総合的には日本政策金融公庫です。
  12. ⇒創業融資の成功条件 創業融資に失敗しない秘訣を説明します。
  13. ⇒自己資金について 自己資金は融資審査ではとても重視されます。
  14. ⇒自己資金が不足しているとき
  15. ⇒創業計画書の業種経験の書き方 経歴アピールで成否が決まる。
  16. ⇒創業計画書の書き方 創業計画書の書き方で成否は決まります。
  17. ⇒創業計画書の記入例 日本政策金融公庫が提供する記入例です。
  18. ⇒資金繰り表の重要性 資金繰り表をすらすらと説明できれば、融資審査ではとても強くアピールできます。
  19. ⇒創業計画書と資金繰り計画書で創業融資は決まる
  20. ⇒創業融資の面談で守るべきこと 面談で犯しがちな失敗とは?
  21. ⇒創業融資の流れと必要書類 創業融資を借りる手順です。
  22. ⇒創業融資で新事業を立ち上げる 起業だけでなく新事業立ち上げにも使えます。
  23. ⇒創業融資の成功事例 自己資金不足、経験不足、事故暦、事業譲渡、高額融資の事例を集めました。
  24. ⇒創業計画書と事業計画書の違い 創業計画書は創業者用の事業計画書ですが、ちょっと特徴があります。
  25. ⇒創業後に赤字を回避するための具体的な経営手法
  26. 創業融資Q&A よくある質問にお答えします。

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