日本政策金融公庫と制度融資は、どちらが得か?

創業融資を使えば、低金利で資金を確保して、人、物といった経営資源を確保できます。
金利は1~2%前後と安いので、利益を出すのは難しくありません。
放漫経営をしない限りは、金利を上回る利益を確保できるでしょう。
金利を上回る利益のうち、半分を返済にあて、残りを貯蓄すれば、富をより早く蓄積することができます。
創業融資は、金利が低いので、計数管理をしながら普通に事業をやれば、利益増大効果が金利を上回り、はやく、キャッシュを増やせるのです。

創業融資には、2種類があります。
日本政策金融公庫の創業融資と、信用保証協会が信用供与する制度融資です。
創業者は、どちらの公的な金融機関を選ぶべきでしょうか?
二つを利用するという裏技もありますが、そこまで資金が必要でなければどちらかを選ぶことになります。
どっちを良いのでしょうか?
ネットで検索しても、ずばり答えている記事はありません。
起業家は、創業時のつまずきは、避けたいはずです。
資金調達に失敗すれば、人、物といった経営資源は確保できず、事業そのものを立ち上げられないからです。
よい方を選択したいものです。
私見ではありますが、すばり、お答えします。
答えは、日本政策金融公庫です。

借入額について

借入額は、両者ともに、自己資金の2~5倍です。
ただ、制度融資を活用される方は、市区町村の制度融資を利用したがります。
利子補給や信用保証料の補助が厚いからです。
しかし、市区町村の制度融資は、資金量が限られているので、借りられる金額が、小さくなってしまう傾向が確実にあります。
借りられる金額が小さいということは、十分な経営資源が確保できずに利益を生み出せなくなる可能性が生じるということです。
わずかな金利を惜しんで事業に必要な資金を確保できなければ、本末転倒です。

借りられるまでの期間

また、制度融資は、スピードが遅いという欠点があります。
日本政策金融公庫と比較すると、融資実行が、2ヶ月以上、遅れることがあります。
2ヶ月、創業が遅れれば、2ヶ月の間、売上機会を喪失します。
予想月間売上を2倍にしてみてください。
売上がたたない間も固定費が発生しますので、損失は大きくなります。
金利をはるかに上回る厖大な損失となります。

金利

次は、金利についてです。
市区町村の制度融資は、利子補給や信用保証料の補助があるので、一見すると金利が安いような印象を与えますが、実質的な負担総額を、日本政策金融公庫の金利と比べると一概にどちらが有利とは言えません。
日本政策金融公庫の場合は、利子だけで信用保証料が不要です。
ともに、創業者の経営の足をひっぱらない程度に、十分に低く金利は設定されています。

無担保、無保証

さらに、日本政策金融公庫の創業融資の魅力は、なによりも、無担保無保証であることです。
会社がつぶれたら経営者個人は借金は返さなくともよいのです
制度融資も、一定の要件を満たせば、無担保、無保証です。
無担保、無保証という観点からは、両者に遜色はほとんどないでしょう。

審査の厳しさ

審査の厳しさは、甲乙はつけがたく、どちらの方が、融資がおりやすいとは断言ができません。
そもそも、創業融資の審査のレベルは、人や支店によって変わりますので断定が困難なのです。
ただ、当事務所の場合は、特定の審査担当者とやりとりをしておりますので、日本政策金融公庫の方がはるかにスムーズと感じています。

融資審査を有利にする方法

ただ、日本政策金融公庫と提携している税理士等を経由する場合は、審査担当者を指定することができますので、運任せの部分をある程度はコントロールできます。
審査期間も短くできます。
それだけではありません。
『この点を修正すればなんとかなるのになあ!』という、審査担当者の本音が、事前情報としてはいってくることもよくあります
謝絶される前にそこを修正できれば審査はとおります。
こういった事前のアドバイスを得られれば、成功確率はぐっと上がります。
その税理士事務所が日本政策金融公庫の当該支店からちゃんと信頼を得ていれば、情報は入ってきます。

二つをうまく組み合わせる

創業資金は、まずは、日本政策金融公庫ですばやく無保証で調達するべきでしょう。
ただ、制度融資も追加融資で活用するべきです。
より早く借りれる日本政策金融公庫の創業融資で実績をつくり、信用をつけ、追加的に必要な資金は、ちかくの創業融資に積極的な信用金庫で、保証協会付き融資で調達するのです。
日本政策金融公庫から創業融資に成功すると、信用がつくので、ほかの金融機関でお金が借りやすくなります。
追加融資で利用しようと思っている信用金庫に口座を作り、そこに日本政策金融公庫からの融資額を着金すれば、それも信用を上積みすることになりますので、さらに評価を上げることができます。

創業融資の基礎知識

  1. ⇒そもそも、お金は借りるべきなの?
  2. ⇒創業資金の集め方 さまざまな創業資金の集め方をご紹介します。
  3. ⇒日本政策金融公庫とは? 創業者にも貸してくれる公的金融機関
  4. ⇒信用保証協会と制度融資 信用保証協会の基本を理解しましょう
  5. ⇒『新創業融資制度』について 無担保、無保証の創業融資制度です。
  6. ⇒『新規開業資金』について 借りやすい創業融資制度です。
  7. ⇒東京都と市区町村の創業融資 ともに信用保証協会と自治体がバックアップする創業融資制度です。
  8. ⇒市区町村の創業融資の重大な欠陥
  9. ⇒日本政策金融公庫と制度融資は、どちらが得か? 総合的には日本政策金融公庫です。
  10. ⇒創業融資の成功条件 創業融資に失敗しない秘訣を説明します。
  11. ⇒自己資金について 自己資金は融資審査ではとても重視されます。
  12. ⇒自己資金が不足しているとき
  13. ⇒創業計画書の業種経験の書き方 経歴アピールで成否が決まる。
  14. ⇒創業計画書の書き方 創業計画書の書き方で成否は決まります。
  15. ⇒創業計画書の記入例 日本政策金融公庫が提供する記入例です。
  16. ⇒資金繰り表の重要性 資金繰り表をすらすらと説明できれば、融資審査ではとても強くアピールできます。
  17. ⇒創業計画書と資金繰り計画書で創業融資は決まる
  18. ⇒創業融資の面談で守るべきこと 面談で犯しがちな失敗とは?
  19. ⇒創業融資の流れと必要書類 創業融資を借りる手順です。
  20. ⇒創業融資で新事業を立ち上げる 起業だけでなく新事業立ち上げにも使えます。
  21. ⇒創業融資の成功事例 自己資金不足、経験不足、事故暦、事業譲渡、高額融資の事例を集めました。
  22. ⇒創業計画書と事業計画書の違い 創業計画書は創業者用の事業計画書ですが、ちょっと特徴があります。
  23. ⇒創業後に赤字を回避するための具体的な経営手法
  24. 創業融資Q&A よくある質問にお答えします。

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