創業融資のタイミング

起業を考えています。

起業前のほうが資金調達はしやすいという話を聞きました。

理由がよくわかりません。

逆のように思えるのですが…

創業後だと借りられなくなるのでしょうか?

 

銀行は、通常は、会社の実績を見て融資の可否を判断します。

実績とは、決算書です。

ですので、実績が一切ない、創業前の方が借入しやすいというのは奇異に聞こえると思います。

 

創業企業は、実績がないので銀行はまずプロパー資金は貸してくれません。

公的な資金を活用せざるを得ないのが実情です。

公的金融機関が提供する創業融資においては、過去の経営実績が審査ポイントなっていません。

重要なのは、自己資金、事業経験、創業計画書の完成度、面接時の対応です。

イメージを掴んでいただくために簡単に説明いたします。

自己資金とは創業者が貯めてきたお金です。

自己資金が多いと、創業に向けてきっちりと準備してきたと思ってもらえます。

創業資金総額の3分の1以上が用意されているのが望ましいとされています。

事業経験は、創業しようとしている事業における経験のことです。

経験が豊富なほど、審査担当者は高く評価します。

創業計画書とは、審査のために提出する経営計画です。

創業融資は、過去の経営実績がないので、この経営計画の内容で融資の可否が決定されます。

創業計画書は、創業動機・市場の選択・創業者の営業力・潜在顧客リスト・事業フロー・損益計画のち密さ・資金使途と返済財源等々のポイントがチェックされます。

創業融資は、書類審査だけでなく面談も行われます。

面談における真摯で粘り強い対応も重要なポイントです。

以上のように、公的な融資制度である創業融資では、創業後の経営実績は審査ポイントとなっていないのです。

 

企業は創業直後には赤字に陥りやすい傾向があります。

理由はさまざまです。

売上が、目標額に達成するには相当な時間がかかります。

また、当初は、顧客確保のために余計に販促費がかかったりします。

売上が伸びなくとも人件費や地代などの固定費は発生してしまいます。

創業企業は、想定外の事象により、創業計画よりも赤字額や赤字期間が想定を上回ることがあります。

創業直後は、潜在的に実力のある会社でも赤字になりやすいのです。

創業後に申込をすると、数カ月分だけでもよいので、決算書をみせてほしいとか、入金状況をみせてもらいたいといわれることがあります。

審査担当者としても当初赤字になるのはわかっていることだけれども、実際に大赤字の状況を見ると良い印象は持てません。

 

以上の理由から、実績が出る前に、すなわち創業前にお金は借りた方がよいのです。

創業後でも借りられないということはありませんが、不利になってしまうのです。

もともと経営実績は考慮外なのに、創業後だと経営実績が発生してしまい、減点評価の対象となってしまうことがあるからです。

とくに、創業後から半年を経過すると、その時点までの月次決算書の提出は、ほぼ確実に求められます。

審査は、審査担当者の主観的な判断によるところもあり、創業後2~3カ月でも提出を求められてしまうこともあります。

できるかぎり、創業融資は、創業前に申込をするべきです。

 

▼創業融資の基礎知識

  1. ⇒そもそも、お金は借りるべきなの?
  2. ⇒創業資金の集め方 さまざまな創業資金の集め方をご紹介します。
  3. ⇒日本政策金融公庫とは? 創業者にも貸してくれる公的金融機関
  4. ⇒信用保証協会と制度融資 信用保証協会の基本を理解しましょう
  5. ⇒『新創業融資制度』について 無担保、無保証の創業融資制度です。
  6. ⇒『中小企業経営力強化資金』について 無担保、無保証、要件上は自己資金不要、しかも融資額は最大2,000万円です。
  7. ⇒『新規開業資金』について 借りやすい創業融資制度です。
  8. ⇒東京都と市区町村の創業融資 ともに信用保証協会と自治体がバックアップする創業融資制度です。
  9. ⇒市区町村の創業融資の重大な欠陥
  10. ⇒創業融資の比較 選んではいけない創業融資制度とは?
  11. ⇒日本政策金融公庫と制度融資は、どちらが得か? 総合的には日本政策金融公庫です。
  12. ⇒創業融資の成功条件 創業融資に失敗しない秘訣を説明します。
  13. ⇒自己資金について 自己資金は融資審査ではとても重視されます。
  14. ⇒自己資金が不足しているとき
  15. ⇒創業計画書の業種経験の書き方 経歴アピールで成否が決まる。
  16. ⇒創業計画書の書き方 創業計画書の書き方で成否は決まります。
  17. ⇒創業計画書の記入例 日本政策金融公庫が提供する記入例です。
  18. ⇒資金繰り表の重要性 資金繰り表をすらすらと説明できれば、融資審査ではとても強くアピールできます。
  19. ⇒創業計画書と資金繰り計画書で創業融資は決まる
  20. ⇒創業融資の面談で守るべきこと 面談で犯しがちな失敗とは?
  21. ⇒創業融資の流れと必要書類 創業融資を借りる手順です。
  22. ⇒創業融資で新事業を立ち上げる 起業だけでなく新事業立ち上げにも使えます。
  23. ⇒創業融資の成功事例 自己資金不足、経験不足、事故暦、事業譲渡、高額融資の事例を集めました。
  24. ⇒創業計画書と事業計画書の違い 創業計画書は創業者用の事業計画書ですが、ちょっと特徴があります。
  25. ⇒創業後に赤字を回避するための具体的な経営手法
  26. 創業融資Q&A よくある質問にお答えします。

▼創業融資の無料相談会

⇒創業融資の無料相談会の詳細へ

 

創業融資の無料個別相談を実施中 詳細はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次