居酒屋を転貸で開業したい

居酒屋を居抜きで貸してもらい、開業したいと考えています。

現時点でも、利益がそこそこ出ているお店です。

飲食で9年間の経験があり、さらに売り上げを伸ばす自信があります。

ただ、住宅ローンを借りたばかりなのでかなりの借金があります。

頭金にお金を使い、手元には、100万円しかありません。

必要な資金は700万円なので、600万円を借りる必要があります。

日本政策金融公庫、信用金庫、銀行のどこに頼めばよいでしょうか。

 

税理士の工藤がお答えします。

日本政策金融公庫か、制度融資を使って信用金庫から借りるべきでしょう。

日本政策金融公庫とは、政府が100%出資している公的な金融機関です。

制度融資とは、自治体がバックアップし、信用保証協会が保証してくれる公的な融資制度です。

創業者には、こういった公的な金融機関しか融資はしてくれません。

また、窓口は、信用金庫や信用組合の小さいな金融機関の方が都市銀行よりも親身になって相談に乗ってくれます。

日本政策金融公庫と制度融資は、両方申し込めるので、どちらかを選択するのではなく、双方にトライするべきでしょう。

 

借金があるということですが、住宅ローンなので、クレジットカードローンなどとは異なり、それほどマイナス評価はされません。

借金と見合いで住宅という資産を持っているので、今後の事業計画で稼げる所得内で返済していけるぐらいの借入金であれば、融資審査で足をひっぱることはありません。

ただ、自己資金の額はちょっと少なすぎます。

創業融資の申込の際に作成する創業計画書をちょっと工夫しないと、貸し手はもらえないでしょう。

創業融資は、自己資金の2倍が融資額の限度額の目安なのです。

あなたの場合には、200万円が上限です。

個別の融資制度には、こういった上限額は、要件として、明記されていませんが、これが実態です。

たとえば、新創業融資制度は、要件上は、事業経験が6年以上あれば、自己資金はとくに求められていませんが、実際上は、自己資金の倍以上の金額を貸してくれることはまずありません。

ただ、この上限を超えて貸してくれることがないわけではありません。

確実に返せる要素がある場合には、この上限を超えて融資をしてくれます。

あなたの場合には、飲食において9年という長い経験があるのは有利な要素です。

とくに営業実績に誇れるものがあれば、この倍額の壁を突き抜けることが可能です。

勤務時代にお店の売り上げをあなたの手腕で大きく伸ばした等の実績を示せれば、高い信頼を得ることができます。

また、転貸を受ける店が、現時点で利益が出ているということもとても有利な要素です。

ただ、言葉でいうだけではだめで、具体的な営業数字を示してください。

過去数年の客観的な売上、経費、利益の推移を示すことができれば、強い説得材料になります。

借入申込時には、ぜひ、添付資料として提出してください。

あと注意点していただきたいことが二つあります。

一つ目は契約関係です。

転貸を受けるとことですが、契約関係を明確にしておく必要があります。

というのも金融機関は、重大な法令違反があると貸付ができないのです。

転貸の契約関係が明瞭に定められてあなたの権利が保証されており、かつ、大家の了承を得ている必要があります。

次に、資金繰計画表を作って、最低でも向こう36か月の資金繰りを明らかにしてください。

なぜ、600万円の資金が必要なのか、その使途を明確にする必要があるからです。

設備投資、在庫投資、人件費、経費それぞれにどれだけの資金が必要なのかを明確にし、借りたお金をなにに使うのかを明らかにするのです。

同時に、借入金の返済を行なう財源が将来、十分に確保されていることも示す必要があります。

売上から人件費、経費、法人税を引いた純利益から十分に借入金返済額を支払えることを立証する必要があります。

公的金融機関とはいえ、金貸しですから、借りた金の使い道と返済のめどをはっきりとさせなければ貸してはくれません。

設備投資については見積書の提出も必須です。

以上、創業計画書の作成についてご不明な点があれば、ご遠慮なく、工藤公認会計士税理士事務所の無料相談をご活用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次