リスケ前に実施しなければならないこと

リスケをして、借入金の毎月の返済額を減額する際には、あらかじめ実施しておかなければならない準備手続があります。
準備手続を怠って、リスケを銀行に申し込むとリスケが失敗する恐れがあります。
預金をロックされ、資金があっという間に枯渇して倒産してしまうことがあります。
準備手続はとても大切です。

以下が、リスケを申し込む前の主な準備手続です。

  • 銀行口座の残高は、空にしておく。
  • 担保となっていない預金を解約する。
  • 売上入金口座を借入のない銀行に変更する。
  • 手形を割引できる銀行を確保しておく。
  • 公共料金、リース料の支払口座を借入のない銀行へ変更しておく。

まず、リスケを申し込む前に返済口座の資金をすべて回収して残高を零にしておきましょう。
リスケの実行が遅れると、残っている資金が返済に充当されてしまうおそれがあるからです。

返済期限前でも、リスケを申し込んだとたんに預金がロックされ、お金が引き出せなくなる恐れもあります。
銀行は、回収が危ういと判断すれば預金をロックすることができるのです。
銀行取引約定書には、「相当の事由」があると認められる場合には、借り手は、期限の利益を喪失すると定められています。
銀行取引約定書は、通称「ギントリ」といわれ、銀行と融資取引をする際に、最初に締結した基本契約書です。

担保となっていない定期預金や定期積金があれば、それも、解約して回収しておきましょう。
担保となっていなくとも銀行はそう簡単には、解約に応じてくれませんが、あきらめずに粘り強く交渉してください。
絶対に「資金繰りが苦しい」とか、「リスケを考えている」とかは言ってはだめです。
銀行は、危ないと思ったら、預金ロックすることができるからです。
一時的な資金対策とか、適当な理由を言い張ってください。

次に売上の入金口座を借入のない銀行に変更してください。
さもないと、預金ロックにより、銀行口座に入金した売上代金をすべて押さえられてしまいます。
売上の入金口座の変更には、得意先によっては、手間がかかることもあります。
余裕をみて3ヶ月ぐらい前から変更手続を始めましょう。

手形を割引する銀行も別に確保しておきましょう。
リスケをすると新規融資はしてくれなくなります。
手形割引も融資取引なので、断られる恐れがあります。
新たに売上入金口座を作った銀行に手形を割引いてくれないかと相談してみてもよいかもしれません。
最悪の場合には、ちょっと金利が高いですが、手形割引を専業にしているノンバンクを利用する方法もあります。その場合は、手形がおかしな業者にまわされないように、信頼のできる貸金業者を選ぶようにしてください。

公共料金やリース料の支払口座も、借入のない銀行に変更しておく必要があります。
でないと支払に当てるために振り込んだお金をロックされ、借入金の返済に充てられてしまい、公共料金やリース料が未払いとなってしまうことがあるからです。

銀行借入金のリスケの基礎知識

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