創業融資の比較

以下は、日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金と、代表的な制度融資である東京都の制度融資との比較です。 

結論から言うと、中小企業経営力強化資金の方がすぐれた創業融資制度です。 

まず、実際の貸付額が、中小企業経営力強化の方が、大きめです。 

また、実質審査の厳しさも、中小企業経営力強化資金の審査の方が、ややゆるめという印象をもっています。 

金利負担も、中小企業経営力強化資金の方が有利です。 

中小企業経営力強化資金の場合は、金利負担は、1%代前半でしかも保証料を払う必要はありません。 

担保・保証も、中小企業経営力強化資金の方がお得です。 

制度融資は、代表取締役が保証人となる必要がありますが、中小企業経営力強化資金の場合には、無担保無保証です。 

会社がつぶれても、社長は、借金の責任を負う必要はありません。 

中小企業経営力強化資金の場合には、経営革新等支援機関(認定支援機関)の支援、精緻な事業計画書の策定、経過報告という3つの追加要件がありますが、顧問の会計事務所が認定支援機関でかつ融資支援に手慣れていれば、事務負担は大幅に軽減できます。 

中小企業経営力強化資金は、開業率を上げるための政策的な融資制度なので、中小企業にとってお得な融資制度なのです。

日本政策金融公庫が、昔から提供している『新創業融資制度』とくらべても、実質的な融資額、金利において優っています。

中小企業経営力強化資金と東京都の制度融資は、ともに創業計画書や資金繰り計画書の説得力が、創業融資を調達できるか否かの重用な分岐点となる点は、共通しています。

 

【公的創業融資の比較表】

比較ポイント

日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金

信用保証協会を利用した東京都の創業融資

事業の実績 現在事業を営んでいなくてもよい。 現在事業を営んでいなくてもよい。
融資限度額 上限は7,200万円まで

上限は2,500万円

返済期間 15〜7年 7〜10年
金利 1%代前半。特利Aです。女性、若者、シニア金利引き下げ措置あり。 固定金利と変動金利のうちから選択
保証料率 なし 所定の料率
自己資金の必要性 自己資金の有無は関係なし 創業後であれば自己資金の有無は関係なし
担保・保証人 無担保・無保証人 無担保だが、社長は保証人とならなければならない。
審査方法 創業計画書に基づき、30分から1時間の面談を受ける。 創業計画書に基づき審査・面談される。
申込期間 制限なし。ですので、創業後の追加融資でも利用できます。 事業開始後5年まで
その他 経営革新等支援機関の支援、精緻な事業計画書の策定、経過報告という3つの要件が課されています。  

 

▼創業融資の基礎知識

  1. ⇒そもそも、お金は借りるべきなの?
  2. ⇒創業資金の集め方 さまざまな創業資金の集め方をご紹介します。
  3. ⇒日本政策金融公庫とは? 創業者にも貸してくれる公的金融機関
  4. ⇒信用保証協会と制度融資 信用保証協会の基本を理解しましょう
  5. ⇒『新創業融資制度』について 無担保、無保証の創業融資制度です。
  6. ⇒『中小企業経営力強化資金』について 無担保、無保証、要件上は自己資金不要、しかも融資額は最大2,000万円です。
  7. ⇒『新規開業資金』について 借りやすい創業融資制度です。
  8. ⇒東京都と市区町村の創業融資 ともに信用保証協会と自治体がバックアップする創業融資制度です。
  9. ⇒市区町村の創業融資の重大な欠陥
  10. ⇒創業融資の比較 選んではいけない創業融資制度とは?
  11. ⇒日本政策金融公庫と制度融資は、どちらが得か? 総合的には日本政策金融公庫です。
  12. ⇒創業融資の成功条件 創業融資に失敗しない秘訣を説明します。
  13. ⇒自己資金について 自己資金は融資審査ではとても重視されます。
  14. ⇒自己資金が不足しているとき
  15. ⇒創業計画書の業種経験の書き方 経歴アピールで成否が決まる。
  16. ⇒創業計画書の書き方 創業計画書の書き方で成否は決まります。
  17. ⇒創業計画書の記入例 日本政策金融公庫が提供する記入例です。
  18. ⇒資金繰り表の重要性 資金繰り表をすらすらと説明できれば、融資審査ではとても強くアピールできます。
  19. ⇒創業計画書と資金繰り計画書で創業融資は決まる
  20. ⇒創業融資の面談で守るべきこと 面談で犯しがちな失敗とは?
  21. ⇒創業融資の流れと必要書類 創業融資を借りる手順です。
  22. ⇒創業融資で新事業を立ち上げる 起業だけでなく新事業立ち上げにも使えます。
  23. ⇒創業融資の成功事例 自己資金不足、経験不足、事故暦、事業譲渡、高額融資の事例を集めました。
  24. ⇒創業計画書と事業計画書の違い 創業計画書は創業者用の事業計画書ですが、ちょっと特徴があります。
  25. ⇒創業後に赤字を回避するための具体的な経営手法
  26. 創業融資Q&A よくある質問にお答えします。

 

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創業者は、日本政策金融公庫と区の制度融資のいずれを利用するべきか?

これは、創業者からよく聞かれる質問です。

日本政策金融公庫と自治体の創業融資のどちらの方がよいのかという問いかけです。

この論点は、3つの視点で検討するべきでしょう。

  1. どちらの方がたくさん貸してくれるのか?
  2. 金利負担はどちらが重いか?
  3. 無保証か、どうか?

 

以下、日本政策金融公庫の『中小企業経営力強化資金』と渋谷区の『創業支援資金』を例にとって比べていきます。

 

まず、どちらの貸付制度の方が、たくさん貸してくれるでしょうか?

市町村区の場合は、資金量が少ないために、実際の審査が厳しく貸出してくれる金額は少なくなる傾向にあります。

だいたい自己資金と同額くらいに落ち着くことが多いようです。

一方、経営力強化資金なら、自己資金の2〜3倍は貸してくれますし、1,000万円を超える高額融資もざらです。

実際の融資限度額は、日本政策金融公庫の方に軍配が上がります。

 

次にどちら方が金利負担が少ないのでしょうか?

日本政策金融公庫の経営力強化資金は、金利1%強で借りることができます。

かなりの低金利です。

一方、制度融資は、金利補給と信用保証料補助があります。

渋谷区の創業資金では、実質負担は、0.4%となります。

具体的に金利負担額を計算してみましょう。

500万円を借りたとします。

経営力強化資金なら、金利は、1.3%なので、年間の支払利息は、65,000円です。

渋谷区の創業資金の場合は、年間の実質負担は、20,000円となります。

両者の差は、年間45,000円とわずかですが、渋谷区の方が有利です。

 

一見すると、渋谷区の方が有利に思えますが、日本政策金融公庫の経営力強化資金には、とても魅力的な条件があります。

社長が保証人にならなくともよいので、会社がつぶれたら、借金がちゃらになるのです。

会社が倒産したら借金を返す義務もなくなるのです。

一方、制度融資は、経営者は保証人となるので会社がつぶれたら社長が借金を負わなければなりません。

創業者に無保証でお金を貸すというのは、金融の論理としては普通はありません。

リスクが高い貸付は、保証や担保をとり、高い金利をとるというのが金融の原則です。

経営力強化資金は、開業率を上げたいという国の政策が反映され、政策的に無保証、無担保、低金利という条件が設定されているのです。

 

三番目の保証の有無という点では、日本政策金融公庫の方が圧倒的に有利です。

さきほどの例でいえば、元本の500万円がちゃらとなるので、潜在的な経済的メリットは、甚大です。

 

ところで、創業した会社の生存率は、どれぐらいでしょうか?

中小企業庁の中小企業白書によれば、5年後の会社の生存率は、40%〜60%ぐらいです。

半分の会社はつぶれます。

創業される方は、事業に失敗した場合のリスクも謙虚に検討するべきでしょう。

会社がつぶれた上に会社の借金まで肩代わりしなければならないのはとてもきついことです。

会社がつぶれて人生をやりなおすときに数百万円、下手をしたら1千万円以上の借金があれば、やりなおしはかなり難しくなります。

借金返済の義務がなければ、その時点でフレッシュスタートができます。

銀行借入を返済する必要がなければ、仕入れ代金はもともと会社の債務なので、経営者個人には、法律的には責任はありません。

したがって、日本政策金融公庫の経営力強化資金を利用していれば、会社がつぶれても、借金0でフレッシュに人生の再スタートを切ることができます。

 

話は変わりますが、リスクヘッジという意味では、生命保険も重要です。

万が一、社長が突然、亡くなれば、中小会社は、長くは持ちません。

倒産し、借金だけが残ります。

家族は、生活原資を失うだけでなく、制度保証の場合であれば、会社の保証債務を相続してしまいます。

油断して相続放棄を失念してしまい、債務を負ってしまうことは少なくないのです。

文字通り、残された家族が路頭に迷うこともありえます。

万が一に備えて、会社の借金返済と家族の生活維持に必要な資金ぐらいは、保険で手当てしておきましょう。

最低限のリスクヘッジをしておくことは、残された家族に対する最低限の義務と言えます。


▼創業融資の基礎知識

  1. ⇒そもそも、お金は借りるべきなの?
  2. ⇒創業資金の集め方 さまざまな創業資金の集め方をご紹介します。
  3. ⇒日本政策金融公庫とは? 創業者にも貸してくれる公的金融機関
  4. ⇒信用保証協会と制度融資 信用保証協会の基本を理解しましょう
  5. ⇒『新創業融資制度』について 無担保、無保証の創業融資制度です。
  6. ⇒『中小企業経営力強化資金』について 無担保、無保証、要件上は自己資金不要、しかも融資額は最大2,000万円です。
  7. ⇒『新規開業資金』について 借りやすい創業融資制度です。
  8. ⇒東京都と市区町村の創業融資 ともに信用保証協会と自治体がバックアップする創業融資制度です。
  9. ⇒市区町村の創業融資の重大な欠陥
  10. ⇒創業融資の比較 選んではいけない創業融資制度とは?
  11. ⇒日本政策金融公庫と制度融資は、どちらが得か? 総合的には日本政策金融公庫です。
  12. ⇒創業融資の成功条件 創業融資に失敗しない秘訣を説明します。
  13. ⇒自己資金について 自己資金は融資審査ではとても重視されます。
  14. ⇒自己資金が不足しているとき
  15. ⇒創業計画書の業種経験の書き方 経歴アピールで成否が決まる。
  16. ⇒創業計画書の書き方 創業計画書の書き方で成否は決まります。
  17. ⇒創業計画書の記入例 日本政策金融公庫が提供する記入例です。
  18. ⇒資金繰り表の重要性 資金繰り表をすらすらと説明できれば、融資審査ではとても強くアピールできます。
  19. ⇒創業計画書と資金繰り計画書で創業融資は決まる
  20. ⇒創業融資の面談で守るべきこと 面談で犯しがちな失敗とは?
  21. ⇒創業融資の流れと必要書類 創業融資を借りる手順です。
  22. ⇒創業融資で新事業を立ち上げる 起業だけでなく新事業立ち上げにも使えます。
  23. ⇒創業融資の成功事例 自己資金不足、経験不足、事故暦、事業譲渡、高額融資の事例を集めました。
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二つの創業融資制度の比較

創業予定のものです。

早く確実に創業資金を借りられる方法を教えてください。

現在、日本政策金融公庫と渋谷区の創業支援資金を検討しています。

どちらの方が早く融資を受けられますか?

また、両方とも申し込むということは可能でしょうか?

両方とも申し込んでダブルで融資を受けると詐欺とかにはなりませんか?

 

日本政策金融公庫の創業融資は、調達金額が大きく、審査が早いのが特徴です。

1千万円以上の高額融資は珍しくありませんし、日本政策金融公庫と提携している税理士を通せば最短で3週間ぐらいで着金します。

金利も低く、無担保無保証の融資制度もあります。

無担保無保証ですので会社がつぶれても経営者個人は責任を問われず、借金を返す必要はありません。

 

開業後の生存率は決して高くはありません。

5年後に生き残っている会社はわずかです。

無担保無保証だと経営者は、返済責任を一切負いません。

会社が潰れたあと生活を再生させようという経営者にとって創業融資の返済が免責され、ちゃらになるのはとても助かります。

失敗することを念頭に起業する経営者はいませんが、リスクとは想定外のことが起こることです。

融資制度を選択するときは、万が一のことも考慮するべきでしょう。

 

一般的に地方自治体の創業融資は、金利補給や信用保証料補助の制度があるので、実質的な金利を安く抑えられます。

渋谷区の場合も金利補給があるので金利負担はとても小さくなります。

ただ、調達資金額が小さいので、500万円を超える高額融資を望む方には向きません。

平均的には2〜3百万円程度でしょう。

また区の創業融資は申し込みから着金まで時間と手間がかかります。

まず、経営相談員の指導面談を受けなければなりません。

面談は、一定の期間ごとに行われるので、時間がかかります。

経営相談員の指導面談は前哨戦にすぎず、そのあとに信用保証協会の融資審査をパスして初めて融資を受けられます。

融資審査もかなりの時間がかかります。

合わせると、申し込みから着金まで3カ月ぐらいかかることもざらなので、創業を御急ぎの方には向きません。

下手をすると日本政策金融公庫に比べて2カ月以上は着金が遅れるので、起業の遅れによる売上ロスも小さくはありません。

また、区の創業融資制度の場合は、信用保証協会を利用するので、経営者は会社の借金について個人保証をしなければなりません。

ですので、会社が潰れたら経営者個人が借金を返済しなければなりません。

区の創業融資では、経営者個人がリスクをとらされます。

 

両方の融資制度に申し込んでも問題はありません。

なぜなら、どちらかに断れる可能性があるので、同一の設備投資、運転資金投資に関して二つの借入制度に申し込むこと自体には違法性はないからです。

ですのでその結果として、両者から借りてしまったとしても、あらかじめ違法な意図がなかったと推測できる状況にある限りは、問題はないでしょう。


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