未経験だが、熱意と工夫で創業融資を確保した事例

今回は、お菓子輸出業を起業したシステムエンジニアさんのケースをご紹介します。
彼は、日本の食文化になじみのない中近東の人々に、日本のお菓子の魅力を理解してもらいたいという思いからこのビジネスを始められました。
ただ、この方は、食品や輸出関連の事業の経験はありませんでした。
しかも、自己資金もほとんどなく、必要な創業資金総額の大半を融資に頼らなければなりませんでした。
創業融資は、公的な金融機関により提供されてているとはいえ、こういったケースでは、支援は受けられません。
自己資金と経験が欠如している場合は、事業が成功する確率がとても低いとみなされるからです。
自己資金が不足していることは、準備不足と解釈されます。
準備不足な上に経験がなければ成功するはずがないというのが、日本政策金融公庫の考え方です。
統計的には全く正しい観察です。
創業融資は、補助金ではないので回収可能性が低い場合には謝絶されます。

そこで、わたくしどもが指導したのは、実績作りの手法です。
資本金が不足しているので大きな取引はできませんが、とりあえず、わずかな額でもよいので、売上を立てるようにお願いしました。
創業融資では、わずかでも実績があることは大きなアピールとなります。
2ヶ月だけでしたが、売上実績を作ってもらいました。

また、この方の場合は、ビジネスに協力してくれそうな親しい友人が中東に複数いました。
友人と、友人の知り合いのリストを作ってもらいました。
氏名、仕事、社会的地位などの情報を一覧表にまとめてもらいました。
販路があることのアピールのためです。
創業当初の2か月の売上実績の相手先もこのリストに含まれています。

このアプローチにより、売上を上げた事業経験もあるし、さらなる潜在顧客もありますよというアピールが可能となりました。
机上の青写真以上の実力があることを証明できるようになったのです。

その他にも創業の動機を別紙A4一枚で、ぎっしりと書いていただきました。
なかなか思いを文章にしていただける方はいないのですが、この方は、丁寧に思いを込めて書いていただきました。
こういった地道な努力も、審査官の心象に少なからず、良いインパクトを与えたものと思います。
日本政策金融公庫も本質は金貸しですが、同じ貸すなら、真面目で熱意がある方にお金は貸したいと考えています。
私どもとしても、日本政策金融公庫に強力に推薦させていただきました。

結果として、希望額400万円、すべてを日本政策金融公庫から、調達することができました。
2ヶ月ほど、売上実績をつくるために足踏みしましたが、そのあとのプロセスは、わたくしどももプッシュしたので1ヶ月はかかりませんでした。
売上実績を作るという遠回りをしましたが、結果として、市区町村の制度融資などよりも早く調達することができました。

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