日本政策金融公庫が重視する審査ポイント

お付き合いのある日本政策金融公庫のベテラン融資担当者と1時間ほど、お話しする機会がありました。

いままで1万社ちかい、創業融資を担当されてきたそうです。

創業融資の審査では、次の3点が大切と強調されておられました。

この3点は、制度融資にも共通することなので、ぜひ、注意をしてください。

 

財政状態(自己資金)がしっかりとしていること

簡単にいうと、資産から借金を引いた純資産がプラスかということです。

プラスであっても、クレジットカードローンなど金利の高いローン残高は、よく問題とされます。

ただ、残高が残っていれば、だめということはありません。

さらに、延滞も、一度でもあればだめということはありません。延滞が1、2度ぐらいしかなく、概ね返済状況が良好であれば、それだけで否決されることはないそうです。

将来的に、資金収支が回るようであれば、なんとかなるようです。

 

住宅ローンは、金額は大きいのですが、低金利の借り入れですし、毎月の返済額も決まっています。

また、資産としての家と土地があります。

したがって、多くの場合、問題となりません。

 

事業経験があること

公庫では、未経験者は、倒産が多いというのが通説です。

出資する経営者が、自ら事業経験がないと、審査は厳しくなります。

 

収支見込の根拠がしっかりしていること

創業企業は、過去の実績がないので、かわりに、見込みの根拠が問われます。

まず、支出の中身が、なぜ、事業に必要なのか、明細化する必要があります。

もっとも大切なのが売上の根拠です。

たとえば、潜在顧客リストがあれば、説得力を持ちます。

不特定多数のビジネスであれば、市場調査をして、競合と自社を比較し、競合の売上から自社の売上予測を導いたりして、説得力を持たせる方法が考えられます。

そのほか、売上に根拠を持たせる方法は、さまざまです。

いずれにしても、漫然とした売上予測では、稟議が通りづらくなり、審査は厳しいものになります。

座席が10席あって客単価が5000円で、6回転だから売上30万円といった手前味噌的な予測では、通らないようです。

 

実績がある企業への融資ではないので、審査担当者に応じて、判断は、属人的になる部分があります。

ですので、審査担当者を自分のファンにするように、面談に望んでください。

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